アリシンで医者いらず 福岡・朝倉の「博多万能ねぎ」

西日本新聞 夕刊

 生で良し、煮て良し、薬味に良し-。三拍子そろった小ネギのトップブランドとして知られる「博多万能ねぎ」の産地、福岡県朝倉市。親子3代で栽培している小柳和輝さん(59)の納屋では、収穫したてのネギを調製する作業の真っ最中だった。

 外葉を1枚除き、2枚の本葉が残るよう仕立てながら、長さごとに選別する。その鮮やかな手つきに見とれていると、ほんのり鼻を刺激する香りで涙が止まらなくなった。血流を活発化し抵抗力を高めてくれる香り成分アリシンの仕業。「でもこのおかげで、わしは32年間、風邪もひかんし医者いらず」と小柳さん。

 種をまき、120日間かけてゆっくり育てる万能ねぎ。「難しいのが水管理。水が多いと味が薄くなるので長年の勘だけが頼り」。小柳さんの説明を聞き、濃緑のみずみずしい青葉を口に含むと、シャキシャキとした食感の後、上質な農産物特有の甘い余韻が広がった。

 チャーハンで使うときは少し焦げ目が付くくらいに炒めると、ネギの甘みと程よい苦味の双方を楽しめるそうだ。調理する直前、食べる直前に刻むのがこつだという。

 九州豪雨で被災した朝倉地域では、ハウス約2600棟(87ヘクタール)で農家94戸が栽培に携わる。この冬は万能ねぎを食べて、地域の復興と、家族の健康を守りたい。 (堀米千恵)

 ▼博多万能ねぎ 年間を通して、福岡県内の百貨店や同県朝倉市、筑前町のAコープ4店舗、道の駅原鶴などで扱っている。1束(100グラム)150円前後。JA筑前あさくら東部野菜課=0946(52)2163。

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ