心の光と闇を問う 劇団四季「ノートルダムの鐘」 九州初上陸

西日本新聞 もっと九州面 山上 武雄

15世紀のパリ、踊り子巡る愛憎劇

 劇団四季は、ビクトル・ユゴー原作のミュージカル「ノートルダムの鐘」(西日本新聞社など主催)を来年2月17日から、福岡市博多区のキャナルシティ劇場で上演する。鐘突きの男、カジモドを主人公に、切なく悲しくとも、一筋の希望を見いだす物語。現在行われている京都劇場でカジモド役、エスメラルダ役をそれぞれ演じてきた飯田達郎さんと松山育恵さんは福岡公演でもこの役の候補となっている。2人のインタビューを交えながら作品を紹介する。 

 舞台は15世紀末のパリ。その醜い容貌のため、ノートルダム大聖堂の鐘楼に幽閉され暮らす鐘突きの男、カジモド。ある日祭りのにぎわいにつられ、外の世界へと一歩を踏み出し、美しき踊り子エスメラルダに出会い恋をした。カジモドだけでない。聖職者にして権力者のフロロー、そして美男子の警備隊長フィーバスもエスメラルダに心を奪われる。1人の女性を巡り、複雑に入り組んだ愛憎劇。教会の権限でフロローが振るう弾圧や排除も絡んで主人公はほんろうされる。

 九州初上陸のこの作品は、ユゴーの原作を元にディズニーが制作し、2014、15年に米国内で上演。劇団四季では16年に初演した。人間が本来持つ、心の光と闇を問う普遍的な物語だ。

 体が不自由でコンプレックスを抱えるカジモド。体を曲げ、顔をゆがめ、声も変え、身体的に負担を抱えながら好演した飯田さんは役柄への思い入れを「するめのようにかめばかむほど味がある。心が浄化される」とうなずく。

 エスメラルダは、ロマ出身としてさげすまれ、その差別と闘いながら、自由と平等を訴える。松山さんは、役を通じて「権力にも屈せずに人間らしさを主張している。作品の時代では自由と平等はかなわないけど、いつかかなう時代がくるのではと思わせてくれる」。

 フロローが象徴する人間誰もが持つ、心の闇も繊細に描いてきた。クワイヤ(聖歌隊)が登場。響き渡る荘厳な歌は物語に、より重厚さを与えている。

 そしてエンディング。「重いテーマだけど、最後は一歩前に出て行けるドラマ。作品のメッセージが観客の方にどう届けばいいか考えている」と飯田さん。絶望の中でもカジモドの愛、喜び、希望への祈りは胸を打つ。(山上武雄)

◆劇団四季「ノートルダムの鐘」 2020年2月17日(月)~6月14日(日)、キャナルシティ劇場(福岡市博多区住吉)。入場料はS席1万1000円(「四季の会」会員は9900円)、A席8800円、B席6600円、C席3300円。全席指定。現在、5月6日(水・休)公演分まで販売中。劇団四季予約センター=(0570)077489。

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