有明海のカニから微小プラスチック 岱志高理科部が検出

西日本新聞 熊本版 宮上 良二

 国際的に重要な湿地を保護するラムサール条約の登録地、荒尾干潟(熊本県荒尾市)で生物多様性の調査に取り組む岱志高(同市)の理科部が、干潟に近接する湿地に生息するカニの胃袋から、微小なマイクロプラスチックを検出した。部長の塚崎歩美さん(16)は「海洋汚染につながるマイクロプラスチックを身近な問題と考え、深刻化させない行動につなげてほしい」と訴える。

 理科部には、塚崎さんと副部長原田龍徳さん(17)、秋富謙吾さん(16)、藤末改さん(16)の普通科2年生4人が所属。4人は10月、干潟の陸側に位置し、大潮の満潮のときだけ有明海につながる塩性湿地(同市荒尾、約1500平方メートル)で、アシハラガニとアリアケガニを5匹ずつ捕獲。解剖して消化管を取り出し、膜を化学液で溶かし、胃の内部を顕微鏡で調べた。

 その結果、アシハラガニ1匹の胃に長さ0・996ミリの粒子を見つけ、プラスチックの可能性が高いとして、熊本大の研究室に物質特定の分析を依頼。ポリエチレンと判明した。別のアシハラガニの胃からは直径1センチ弱に丸まったポリエチレンの繊維も見つかった。

 マイクロプラスチックは5ミリ以下の粒子を指す。回収が難しく生物への影響も心配されている。有明海の生物体内からマイクロプラスチックが検出されたのは初めてという。

 このほか、4人は塩性湿地の泥に含まれるマイクロプラスチックの数や種類も調査。異なる3地点からそれぞれ25センチ四方、深さ5センチ分の泥を採取し、乾燥、ふるい分け、有機物分解など2週間がかりの作業を経て分析した結果、全地点からポリエチレンやポリスチレンなど計27個のマイクロプラスチックを確認した。比較のため干潟の陸側と沖合の2地点で採取した砂からは検出されなかった。

 これらの取り組みは12月上旬、「国連生物多様性の10年日本委員会」(東京)が主催する「生物多様性アクション大賞」でセブン-イレブン記念財団賞を受賞するなどした。

 理科部は4月から10月まで毎月末、湿地で漂着ごみの回収にも取り組み、毎月千個前後を拾った。集中豪雨が影響した8月はペットボトルなどプラスチック類を中心とした大小のごみが3千個を超えた。副部長の原田さんは「ポイ捨てしたごみが海に流れてマイクロプラスチックの原因になり得ることをみんなが意識してほしい」と呼びかけた。(宮上良二)

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