名尾手すき和紙で手紙シリーズ新商品 佐賀市の工房が開発

西日本新聞 佐賀版 梅本 邦明

 約300年の伝統を誇る佐賀県重要無形文化財の工房「名尾手すき和紙」(佐賀市大和町名尾)が、手紙に特化したスタイリッシュな商品シリーズ「LETTERS(レターズ)」を発売した。気軽に和紙を手に取ってもらおうと、外部デザイナーなどによるチームをつくり、ちょうちんや障子紙を作る技術を応用した商品を開発。7代目の谷口弦さん(29)は「チームによるシリーズの第1弾。大切な場面や相手に使ってほしい」と話す。

 レターズは、ちょうちんのように光を通すほどに薄くすいて罫線が透けている一筆箋(20枚つづり)と便箋(12枚つづり)▽障子紙やふすま紙に装飾する際の技術を用いて紅葉、あじさいなど5種類の植物をすき込んだ封筒▽一筆箋、便箋、封筒がセットで入った本型の「文綴箱(ふみとじばこ)」。

 手すき和紙は、パルプを原料とする安価な紙の大量生産に押されて衰退。名尾地区では谷口さんの工房しか残っておらず、手がけた和紙は鹿島市の祐徳稲荷神社の神具、博多祇園山笠のちょうちん、大分県竹田市の姫だるまなど県内外で使われている。

 「伝統的な祭りや工芸品を残したいという皆さんの思いに応えたい」と谷口さん。その一方で、より広く和紙の魅力を知ってもらい、販路を拡大していこうと、商品開発チームを初めてつくり、今回のシリーズを企画した。

 近年はメールや会員制交流サイト(SNS)が浸透し、紙を使ったやりとりは少なくなっている。それでも谷口さんは「美しい和紙は本当に大切な気持ちを伝えたいときに使われることが多い。今後も新しい商品に挑戦したい」と話す。

 レターズは、名尾手すき和紙の工房や福岡市の福岡パルコ、オンラインストアなどで販売。名尾手すき和紙=0952(63)0334。

(梅本邦明)

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