身近な国際化へ多言語教室 外国人女性講師にベトナムなど9カ国語

西日本新聞 ふくおか都市圏版 上野 洋光

 タイ語やベトナム語など日本では学習者の少ない言語を含め九つの言語を学べる多言語教室が福岡市・天神5丁目の雑居ビルにある。講師はそれぞれを母国語とする同市在住の外国人女性たち。NPO法人「女性エンパワーメントセンター福岡」が外国人女性の就労支援として始めた事業の一つで、開講して15年の実績がある。どんな人たちが受講しているのだろう。ある日の教室をのぞいてみた。

 「Mari kita bekerja kerashari ini」。インドネシア語講師のオノ・ジャニタさんがスラスラと白板に書き、意味を尋ねる。

 「そうです。今日も一日頑張りましょう、ですね」。流ちょうな日本語を交えながら、次々に例文を挙げていく。

 6畳ほどの小さな教室。受講生は来春からインドネシアに赴任する予定の会社員男性(38)。大手も含め3カ所の語学教室を見学した上で、この教室を選んだ。安くて雰囲気が良かったのが理由という。

 今年2月から通い、日常会話を終え、ビジネス編を学び始めたばかり。交通の便が良い天神にあるため、仕事の合間に受講することもある。「赴任先が英語が通じない地方なので現地語は必須。春までには何とか間に合いそうです。文化や習慣も気軽に質問できるのもうれしい」と話した。

 この教室で学べる言語はほかにベトナム、スペイン、ロシア、タイ、ポルトガル、韓国、中国、英国の計9カ国語。講師のほとんどが滞在歴20年以上のベテランで日本人男性と結婚した女性。外国語を学ぶ楽しさや苦労を経験したことがあるのも強みだ。

 受講生も多様だ。趣味で英語を学ぶ夫婦や、タイ語を7年間学び続ける医師、出張前の2週間、インドネシア語を集中学習した会社員2人、現地を旅行しようとロシア語の習得に励む女性グループ…。中には教室を1カ月休んで、現地に出かけ、旅先で実力を試し、帰国後また意欲的に教室に通う受講生もいる。「講師が現地の友人を紹介してくれることもあるそうです」と日本人スタッフ。

 世界を面白く歩くための外国語を身に付けながら、講師とも「友人関係」を築けるのが、この教室の魅力。小さな教室の存在自体が福岡の国際化を示す一つの証しなのかもしれない。 (上野洋光)

 ◆多言語教室 レッスンは個人、グループ、スポット(短期)の三つ。個人は月3回(1回1時間)で1万2000円が基本。グループは2~6人で月9000円。スポットは1回1時間で3500~4500円。ニーズに対応できるほか、回数や時間の変更もできる。

 教室のほかに同センターは日本人と外国人の交流行事などでの通訳派遣も請け負っている。問い合わせは女性エンパワーメントセンター福岡=092(519)6580。

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