【きょうのテーマ】マンモスの秘密に迫る 冷凍標本など見学

西日本新聞 こども面

 マンモスの冷凍標本などが展示された「マンモス展~その『生命』は蘇るのか」が、福岡市中央区の同市科学館で開かれています。こども記者たちが、世界初公開の古代生物の冷凍標本などを見学。マンモスの秘密に迫りました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=マンモスの秘密に迫る

 まず出迎えたのは、マンモスの骨格標本。歯の一つが人間の頭くらい大きくて驚いた。展示された牙の中は空洞で、外側はつるっとしていた。

 ケナガマンモスの毛には触れることができた。寒いところで暮らしていたマンモスは、ふわふわの毛に覆われているイメージだったが、触ってみると固かった。「ゆでる前の春雨」「学校の古いほうき」「スープをかける前の皿うどんの麺」などが触った感想だった。

 展示室には、マンモスなどの冷凍標本があった。どれもロシア連邦の「サハ共和国」の永久凍土(氷がずっと解けない土)で見つかったものだ。このマンモス展の企画に関わったフジテレビの神田比呂志(かんだひろし)さん(52)は「地球温暖化(地球の気温が上がっていること)などの影響で夏も凍っているはずの土が解けて、発見されるようになった」と話していた。

 1万7800年前に生きていたユカギルマンモスの頭の冷凍標本は、牙がドーナツみたいにくるんと丸まっていてピカピカしていた。何をやっても折れなさそうだった。3万2700年前のケナガマンモスの鼻には毛がびっしり生えていた。

 マンモスだけでなく4万1000年ほど前の仔ウマ「フジ」や、9300年前のユカギルバイソンなどの冷凍標本もあった。フジの体内からは尿や血液も見つかって、研究がさらに進みそうなのだそうだ。冷凍標本はガラス張りの冷凍展示室に入っていて、その中の温度は「マイナス25・1度」と表示されていた。

 マンモスをよみがえらせる研究の展示では、日本の研究者たちが、マンモスの細胞などを調べたり実験したりしている様子が紹介されていた。一方で、マンモスのお母さん役にゾウが必要だったり、一頭だけよみがえらせることができても、そのマンモスは一生をひとりぼっちで過ごさないといけなかったり、実現にはいくつも問題があるそうだ。

 絶滅した動物を復活させるにはたくさんの壁があることが分かった。絶滅しそうな動物を守るために、環境を守ることも大切なんだなと思った。

 ●日本の技術で展示が可能に

 マンモス展の企画に携わったフジテレビの神田比呂志さんに話を聞いた。

 -マンモスや仔ウマの冷凍標本は、どれくらいの価値があるの?

 「ロシアの特別重要文化財、つまり大切な宝物なのでお金の価値をつけることができません。その大切な宝物を日本で展示することが認められたのは、マンモスを傷めずに、たくさんの人に見てもらえる冷凍展示室を日本の技術で開発できたから。ちなみに冷凍展示室はおうちが買えるくらいのお値段です」

 -絶滅したマンモスをよみがえらせる研究では、何に気をつけなければならないの?

 「以前はマンモスを復活させるひとつの方法として、ゾウの体を利用してマンモスを産んでもらうという考え方がありました。でも、そもそもゾウは絶滅が心配されている動物なので、それを研究に利用できないということになったのです。できること、できないことだけではなく、やっていいこと、いけないこともいろいろな角度から考えなければいけません」

 -マンモス展の見どころはなんですか?

 「何万年も昔の動物たちを見て、今行われている研究を知って、研究がどんな未来を切り開くのかを考えることができます。マンモス展を見た子どもたちの中から、古生物学や生命科学に興味を持つ人が出てほしいと思います」

 ●わキャッタ!メモ

 ▼マンモス展 その「生命」は蘇るのか 2020年2月23日まで、福岡市中央区六本松の福岡市科学館で開催中。05年の「愛・地球博」で展示されたユカギルマンモス頭部や、世界初公開のケナガマンモスの鼻、昨年発見されたばかりの4万1000年前の仔ウマなどの冷凍標本を展示。入場料は一般1200円、高校・大学生1000円、4歳以上中学生以下500円。問い合わせは、092(731)2525。

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