安倍政権の「暴走」止める 野党共闘のキーマン・中村喜四郎氏語る

西日本新聞 総合面 湯之前 八州 一ノ宮 史成

与野党伯仲で政治に緊張を

 かつて自民党で建設相を務めるなど将来を嘱望され、今は野党共闘の枠組みづくりに奔走する無所属の中村喜四郎衆院議員(70)が西日本新聞の単独インタビューに応じた。歴代最長となった安倍晋三政権のありさまに、「非自由主義的」「暴走」と批判的な中村氏。与野党の勢力を伯仲させるための「強い野党」づくりを掲げ、「緊張感のある政治を取り戻し、日本を再建させる」と力を込めた。 (聞き手・一ノ宮史成、湯之前八州)

 ―自民党本流を歩み、離党後、無所属を貫いてきたが昨年、野党会派入り。野党共闘に動く理由は。

 「国民が政治を諦める深刻な事態になっているからだ。投票率が下がり、日本の民主主義が壊れている。状況を打開するため、本気で戦う野党を国民に見てもらう必要がある」

 ―安倍政権をどう見るか。

 「非自由主義的になっている。森友、加計(かけ)学園問題や『桜を見る会』問題では、公文書が隠されたり、シュレッダーにかけられたりと、あってはならないことが堂々と行われている」

 ―以前の自民党との違いは。

 「小選挙区制度の導入で変わった面もある。公認権を持つ政権幹部に権力が集中し、恐怖政治がまかり通るようになった。国会議員は長いものに巻かれ、党内で議論をしなくなった。中央官庁も官邸の言いなりで動く。抑制的に使うべき権力が暴走している。権力は立ち向かわなければ暴走するというのが、過去の経験からの持論だ」

 ―それは、自身のゼネコン汚職事件での逮捕(1994年)を指すのか。

 「もちろん」

 ―政界の現状をどう変えていくつもりか。

 「まず次の衆院選で保革伯仲に持ち込むことだ。衆院で(約200議席ある)与野党の差を50議席まで縮めれば、自民党が自浄能力を回復して変わらざるを得なくなる。もし変わらなければ、野党でその次の総選挙で政権を取りにいけばいい」

 ―その戦略の実現へ向け野党に必要なことは。

 「野党の選挙は労働組合に依存し、風を頼みにし、政策を前面に掲げてきた。だが、選挙に勝つためには有権者を巻き込む日頃の活動が最も大事だ。私は地元選挙区で水害が起きた際、約5300軒の全てを2カ月かけて歩いた。懐に飛び込み、有権者の魂を揺さぶるのが政治家の醍醐味(だいごみ)だ。そうやって有権者との信頼関係が生まれる」

 ―自身も野党の党首級会合をセットし、最近の首長選挙では野党統一候補の応援に積極的に入った。

 「11月の高知県知事選では、共産党系候補の応援に50人余りの野党議員が入った。約6万票差で負けたが、野党がまとまる兆候が出てきている」

 ―立憲民主党と国民民主党などの合流協議が続いているが。

 「(内部で)ぶつかり合うぐらいなら無理に合流しようとせず、別々の政党のまま選挙区調整でルールを設けるなど、しなやかな協力関係を築く方がいいだろう。野党がまとまり、合流するのならば、入党したい」

 ―安倍首相と距離を置く自民党の石破茂氏と会食を重ねている。狙いは。

 「友人として食事している程度。政界再編を目指す話にはなっていない。ただ、向こうから『一緒にやらないか』と言われれば『よし、来た』とはなる」

◆中村喜四郎氏(なかむら・きしろう) 1949年生まれ。日大卒。衆院茨城7区、14期目。76年に初当選し、自民党で建設相などを歴任。94年にゼネコン汚職事件で逮捕、失職。2005年に国政復帰し、無所属で当選を重ねる。

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ