直方市石炭記念館を英国研究者ら視察 「日本の炭鉱史理解できた」

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 炭鉱や産炭地を研究している英国の大学教員や炭鉱博物館関係者、炭鉱労働組合幹部らが福岡県の直方市石炭記念館を訪れた。国指定史跡の「筑豊炭田遺跡群」に含まれ、多くの関連史料を持つ同館を視察し、一行は「日本の炭鉱の歴史、いかに記録を守ろうとしているのかがよく理解できた」などと強い関心を示した。

 同館は、ともに国指定史跡で、筑豊各地の炭鉱経営者が集った旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所の本館や、事故に備えて救護隊の養成や訓練に使用した救護練習所模擬坑道が残るほか、機械器具や標本、模型、写真など多くの炭鉱関連史料を展示・保存している。

 一行は英国からの9人と、共同研究に当たっている早大文学学術院の嶋崎尚子教授(社会学)ら。同大で「産業の労働・経験をどのように記録し、継承するか-石炭産業の場合」と題した国際シンポジウムに参加し、大牟田市や田川市で炭鉱関連施設などを視察後、11日に直方市を訪れた。

 同館の八尋孝司館長から「筑豊には300近い炭鉱があり、会議所はそれらを指揮する拠点だった。筑豊だけで日本の石炭産出量の6割を超えた時期もあり、日本の近代化を支えた」などと説明を受けながら、施設や史料を見て回った。

 ウェールズの炭鉱で働いた経験を持ち、労組の全国組織で副代表を務めるウエイン・トーマスさん(59)は「女性が坑内作業する姿を見たのは初めて。山本作兵衛の絵を見て驚いたが、ここでは写真で確認できた。全てが印象に残った」と話した。嶋崎教授は「日本の炭鉱については英国でほとんど知られていない。共同著作などで発信していきたい」と一連の視察を成果につなげる考えだ。 (安部裕視)

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