嘔吐物が付いた衣類、クリーニング出せる? 「指定洗濯物」OKかどうか確認を

西日本新聞 黒田 加那

 「嘔吐(おうと)物が付着した衣類は、クリーニングに出せないのでは?」。電車内で嘔吐し、周囲の乗客の服を汚してしまった男性について報じた西日本新聞「あなたの特命取材班」に、疑問が寄せられた。法律の規定や業界の取り扱いはどうなっているのか。

 クリーニング業法や厚生労働省の通達は、伝染性の疾病の病原体による汚染の恐れがある洗濯物を「指定洗濯物」と規定。他の洗濯物と分けての消毒などを義務付けている。指定洗濯物を取り扱うには、消毒設備のほか、消毒前の洗濯物を置く専用の場所や容器などの環境が必要だ。

 厚労省の調査では、全国のクリーニング所の数(昨年度)は2万5713施設。このうち指定洗濯物を取り扱うことができるのは3499施設。9割近くの店で指定洗濯物を扱うことはできない。

 一方、店を構えず洗濯物を受け取ったり、引き渡したりする無店舗型の事業者は1963。このうち963事業者が指定洗濯物を扱うことができる。

 指定洗濯物を取り扱える店は最寄りの保健所に問い合わせれば分かる。ただ、病院や介護施設などの専属業者で一般客の洗濯物を受け付けていない場合もあるため、洗濯物を出す際にはあらためて店や事業者に確認したほうがいい。

 指定洗濯物を取り扱うことができない福岡市内のクリーニング店に、嘔吐物が付いたコートを出せるか聞いてみた。店員は「そういう汚れは決まったところでないとできないんですよ。病気による嘔吐物か分からないので」と説明した。

 もしも、指定洗濯物がほかの衣類に交ざってしまえば、感染症の拡大を引き起こす恐れがある。健康被害や別の店を探す手間を避けるためにも、店側に「何の汚れか」を正しく伝えることが重要だ。(黒田加那)

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