郵政3社長が引責辞任 かんぽ不正、保険販売3カ月停止

西日本新聞 一面 飯田 崇雄 中野 雄策 下村 ゆかり

 かんぽ生命保険の不正販売問題で、金融庁と総務省は27日、日本郵政グループ3社への行政処分を発表した。保険の新規販売を来年1月1日から3月31日まで3カ月間停止することを命じ、経営責任の明確化や企業統治の強化などを要求する業務改善命令も出した。これを受け、日本郵政の長門正貢社長(71)、かんぽ生命の植平光彦社長(63)、日本郵便の横山邦男社長(63)は記者会見し、来年1月5日付で総退陣すると表明。日本郵政社長には同6日に増田寛也元総務相(68)が就任する。

 多くの顧客に不利益を与えた問題は、3社長が引責辞任する異例の事態に発展した。増田氏が再発防止と信頼回復を担うが、問題の収束は見通せない。

 日本郵政のグループ会社への業務停止命令は初めて。不正販売の拡大を防げなかった経営管理体制の欠陥は明らかで、再発防止を徹底させる必要があると判断した。対象業務はかんぽ生命が保険の新規募集と新規契約の締結、日本郵便が新規募集。ただ、顧客から申し出があれば例外として募集や契約は認める。

 金融庁は、「一定期間解約できない」と虚偽説明するなどの保険業法違反が少なくとも67件、社内ルール違反が少なくとも662件あったと認定。かんぽ生命と日本郵便には「顧客保護の意識を欠いた組織風土」があると指摘した。

 長門氏は会見で一連の問題を改めて謝罪し「私の経営力のなさ。深く反省している」と述べ「郵政民営化は国家プロジェクトでお国に貢献できると思ったが、迷惑を掛けることになってしまった」と語った。

 かんぽ生命社長には千田哲也副社長(59)、日本郵便社長には衣川和秀・日本郵政専務執行役(62)が同6日付で就任。事実上更迭された総務事務次官から行政処分の検討状況を聞き出した元総務次官の鈴木康雄・日本郵政上級副社長(69)は5日付で退任する。

 金融庁は、かんぽ生命と日本郵便が2018年度までの5年間で顧客に不利益を与えた可能性があるとしている約18万3千件のほかにも、従来の契約と異なる被保険者で新規契約が結ばれたり、顧客の意向に沿わない高額の契約が結ばれたりしたケースがあるとも指摘した。 (飯田崇雄、中野雄策、下村ゆかり)

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