お土産を抱え古里へと急ぐ帰省ラッシュが始まった…

西日本新聞 オピニオン面

 お土産を抱え古里へと急ぐ帰省ラッシュが始まった。首を長くしている人への一番のお土産は元気な笑顔だろう

▼<満面の笑みで迎えて満面の笑みで見送る一人住む義母>(65歳・北海道)。高齢者や家族らの作品を収めた歌集「老いて歌おう2019」(企画・宮崎県社会福祉協議会)から引いた

▼地方では、少子高齢化と過疎という2両編成の列車が猛スピードで進む。子や孫は遠く、高齢者の夫婦や独り暮らしの世帯が増えた。介護が必要になって施設に入る人もいよう

▼<話して安心したのにまた不安何がなんだか何かさみしくて>(96歳・長野県)。世の中が華やぐ年末年始は人恋しさもひとしお。高齢者を狙う悪質な事件も相次ぐ。<独り居の詐欺の電話におろおろしガチャンと切って胸なでおろす>(93歳・京都府)

▼そんな気持ちは、家族も痛いほど分かっている。<病院になぜいるの?と問う母に離れて暮らす我(わ)が身を恨む>(45歳・福岡県)。若い家族の方が力をもらうことも。<たまに会い笑顔いっぱいむかえてくれる祖母の笑顔に救われる私>(30歳・熊本県)<自分(われ)を見てうれしいと言う祖父祖母の声に涙があふれる自分>(23歳・福岡県)

▼今は高齢者をいたわる側も、やがては。<すまんねと用の度(たび)ごと言う母に誰もがたどる道だと笑う>(68歳・宮崎県)<おそろいになったと笑う母と娘の頭髪白く生きる幸せ>(70歳・宮崎県)

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