喘息 職場環境の調整で改善【続・産業医が診る働き方改革2】

西日本新聞

 加藤良治さん(31)=仮名=は小さい頃から特に病気もなく、食品加工会社に入社して、最初の5年は事務作業をしましたが、健康診断でも問題はありませんでした。昨年の春から食品加工工場での勤務に変わり、半年くらいたった頃から、目や鼻のかゆみや鼻水、鼻づまりの症状が出始めました。

 今年の春先からは特に工場に出勤したときとその日の夜に乾いた咳(せき)が出るようになりました。風邪をひいたときは夜中に咳で目が覚めるようになり、眠れないこともしばしばあります。近所の総合病院にかかったところ、喘息(ぜんそく)と診断され、処方された吸入薬と内服薬を服用すると、次第に咳や夜間の症状は良くなってきました。

 しかし工場で働く日は咳が出て夜間の症状が悪くなり、休日には症状が良くなるといった繰り返しです。職場の環境と関連しているのではないかと思い、産業医に相談しました。産業医から職場の配置転換を推奨されたため、事務作業に戻してもらったところ、症状はすっかり良くなり、そのまま仕事を続けています。

 喘息ではなかった人が職場の環境因子が原因で喘息になる場合を狭義の「職業性喘息」といい、元々喘息がある人が職場の環境が原因で症状が悪くなる場合の「作業増悪喘息」と合わせて、「作業関連喘息」といいます。加藤さんは工場勤務になってから喘息を発症しているため職業性喘息ですが、いったん喘息を発症すると、治療は通常の喘息と同じです。また加藤さんのように、特に原因となる職場から別の職場への配置転換による作業環境の調整が望ましいこともあります。

 加藤さんのように鼻炎や結膜炎の症状が喘息の発症に先行することも多く、職場の影響で症状が出始めた際には喘息を発症する可能性がありますので、注意が必要です。

 喘息の治療は基本的には吸入ステロイド薬が中心となりますが、多くの種類の吸入薬、内服薬、注射薬がありますので、呼吸器内科やアレルギー科の専門医に相談しましょう。また働く環境と症状との関連についても気を付けて考えてみましょう。(産業医大・矢寺和博)

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