柿とアスパラの「二刀流農業を」 豪雨被災地福岡・朝倉のJA支援

西日本新聞 社会面 横山 太郎

 福岡県朝倉市のJA筑前あさくらは、九州豪雨で被災した柿農家にアスパラガスも生産する「二刀流農業」を普及しようと、新たな取り組みを始める。栽培しやすいアスパラガスで、被災農家の新たな収入源確保と生産意欲の向上を図るのが狙い。JAは資金面や代替農地の確保で二の足を踏む生産者のため、無償で土地とビニールハウスを2年間提供。栽培から出荷、販売まで一体的にフォローする「伴走型」の支援で後押しする。

 2017年7月の豪雨で朝倉市内の果樹は押し流され、畑が土砂に覆われる被害が続出。日本有数の柿産地で知られる同市杷木地域は大きく傷ついた。JAによると、19年の柿部会の生産量は約3200トンで、災害前の約8割まで回復したが、部会員は442人から382人と60人も減った。そこでJAは産地を維持するため、持続可能な農業経営のモデルを提案することにした。

 アスパラガスは柿の手入れや収穫の時期と比較的重ならない上、収穫は年2回。市場のニーズが高く、価格も安定していることから白羽の矢を立てた。

 JAは同市杷木久喜宮の耕作放棄地を借りてビニールハウス10棟を建設中で、来年1月末に完成予定。被災した2軒の果樹農家が2月からアスパラガスの生産に挑む。最初の2年間は研修期間との位置付けで、JAが栽培を委託する形で生産技術を習得してもらう。苗や肥料、農薬などはJAが全て準備。年2回の収穫ができるようになる3年目以降は独り立ちしてもらい、農家からハウスのリース料を受け取る計画だ。

 JAは今後も別の耕作放棄地にハウスを建設し、意欲のある農家を募る方針。深町琴一組合長は「朝倉の主要産業は農業。豪雨前より活気のある産地にしていくため、ワンチームで被災農家を支援していきたい」と力を込める。 (横山太郎)

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