【ひと】生誕100年を迎える長谷川町子さんの記念館を設計・施工した 伊佐裕さん

西日本新聞 総合面 佐々木 直樹

 6年ほど前、偶然、長谷川町子美術館(東京都世田谷区桜新町)の館長と知り合い、美術館分館として長谷川さんの作品や資料を展示する記念館の設計と施工を手掛けることになった。漫画「サザエさん」などで知られる長谷川さんは今年、生誕100年。

 「縁としか言えない不思議なつながりを感じている」

 福岡市早良区高取で生まれ育った。明治初期に建てられた生家は、国の登録有形文化財。長谷川さんが戦時中に東京から疎開した家にも近い。生家前は、なだらかな坂で、「サザエさん」で磯野家の隣人「伊佐坂先生」の名のモデルとも言われている。

 丸紅で大規模宅地やマンションの開発を手がけ、37歳で独立。1988年、東京・世田谷に「伊佐ホームズ」を起こした。木造住宅にこだわり、政財界の著名人の自宅など、首都圏と福岡を中心に約900棟を手掛けてきた。

 小学校時代から油絵に親しみ、画家を目指したこともあるだけに「構図」を重視する。構想に1年、設計に1年をかけた今回は、道路を挟んで向かい合う美術館と記念館の一体感を考慮した外観と配置を心掛けた。鉄筋コンクリート2階建ての記念館は「家としての美術館」を意識した。日本人の家や家族の原風景ともいえる「サザエさん」の世界観と重なる。「家族だんらんのような温かい、ほっとするような建築にしたかった。いいものができた」

 令和最初の年賀状にはこう記した。<建築を通じて「懐かしい未来を創(つく)りたい」>。4月14日の開館を静かに待つ。69歳。東京都在住。 (佐々木直樹)

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