運気はこうやって好転させる! 「引き寄せ」を科学的に考察した希少な一冊

西日本新聞

 「運」や「引き寄せ」という言葉を聞くたびに頭の中で流れる曲がある。それはラップグループ、スチャダラパーの「ついてる男’94春」だ。

 歌詞には2人の男が登場し、それぞれの一日の出来事が描かれている。ただし、2人の身に起こるのは全く同じ出来事である。大好きな彼女とのデートの日。なのに駅に向かう道でう〇ちを踏んでしまう、電車に乗り遅れる、揚げ句「友達でいましょ」とフラれてしまう。それだけでは終わらない。空き缶を蹴飛ばせば人に命中し、ボコボコにされる。いつになく美しい夕焼けだなと家に帰ったら、自分の家が燃えていた・・・。

 普通に考えれば大災難の一日である。1人の男は当然そう考える。だがもう1人は違う。すべての出来事をポジティブにとらえるのだ。う〇ちを踏んだら「超好ウン」だし、「友達でいましょ」が意味するのは性別を超えた恋人以上の仲だし、ボコボコにされるのも祝福の嵐だし、家が燃えても「クヨクヨしたってはじまらなーい」と三浦カズがゴール後にみせるカズダンスでキメる。

 ラップの調子はコミカルだが、よく考えればこれは、「引き寄せ」の本でおなじみの「ネガティブな出来事もポジティブに解釈しましょう」といったレベルの話ではない。あのバカボンのパパの名言、「これでいいのだ!」と並ぶ、ネガティブ/ポジティブの二項対立を超えた絶対的な肯定、究極のポジティブ思考と言っていいだろう。

 人生に幸運を引き寄せる上で、この究極的なポジティブ思考の重要性は本書でも何度も言及されている。なぜか。従来の「引き寄せ」について書かれた本では、いかにして無意識をポジティブな想念で満たすかという方法が語られてきた。しかしそれでは効果は期待できない。実は無意識の世界にはネガティブな想念が蓄積しており、まずこれらを消去しなければ、ポジティブな想念が打ち消されてしまうからだ。

 むろん、われわれ一般人が、究極のポジティブ思考を獲得するのは容易ではない。しかし、それに一歩でも近付く方法、少しでも多くの運気を引き寄せるノウハウは本書で紹介されている。詳細説明までは至らなかったが、最先端科学の視点から「運気とは何か?」を考察し、独自の引き寄せの方法論を導き出した本書は、内容の客観性と存在の希少性において傑出している。この本さえあれば、もう引き寄せの本は必要ない。そう言っても過言ではないだろう。

 

出版社:光文社
書名:運気を磨く
著者名:田坂広志
定価(税込):902円
税別価格:820円
リンク先:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334044398

西日本新聞 読書案内編集部

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