40~50代の人は要注意!「面倒くさい」は認知症への第一歩

西日本新聞

 人が老化を意識するきっかけに、もの忘れがある。中高年特有のもの忘れには「面倒くさい」という意識が関係しているようだ。著者は仮に面倒病と名付けているが、これは思い出すのが面倒くさい(だから、思い出せない)というもの忘れだ。例えば、自動車のカギをどこに置いたか思い出すには、自動車を降りてからの記憶を芋づる式にたどらなくてはならない。それが面倒くさいから「忘れた」となる。

 この面倒病は40歳を過ぎたあたりから顕著になる。「顔は覚えているが、名前を忘れた」「親友なのに、咄嗟に名前が出てこない」というのも面倒病だと聞けば、思い当たる節がある人もいるだろう。恐ろしいのは、この面倒病が認知症につながっているということだ。詳しい説明は本文にゆずるが、面倒、面倒といって会話や外出も減れば脳循環もますます低下し、脳にゴミがたまってきて、それが認知症を引き起こす。

 現在、認知症の確実な治療法はない。しかし、予防はできる。「アルツハイマー型認知症は、芽生えてから症状の現れるまでに、20~30年もかかる」と言われている。本書は、治療が必要な段階ではなく、「その前」を重視して、予防の必要性を説いている。

 予防法の一部をかいつまんで紹介すると、まず良質な睡眠が挙げられる。脳のゴミは睡眠中に押し流されるからだ。良質な睡眠を得るコツとして、著者は「定刻起床」を薦めている。よい姿勢やよい呼吸も大事になってくる。また、低体温や歯周病は認知症の引き金となるので、気をつけなくてはならない。食事や運動習慣については、それぞれ1章をさいて詳しく解説している。

 2025年には「日本で65歳以上の5人にひとりが認知症」になるという予測が出されている。自分はまだまだ大丈夫、この程度は老化現象だから仕方がないと油断していると手遅れになりかねない。というのも、「老化による生理的なもの忘れの少し進んだ程度のもの」がすでに「軽度認知障害(MCI)」だからだ。「その前」に予防を始めなくてはならない。

 幸い、認知症予防に必要な行動は、生活習慣病の予防と重なる部分が多い。早めにスタートして損はないのである。

 

出版社:講談社
書名:もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本 脳のゴミをためない習慣
著者名:松原英多
定価(税込):990円
税別価格:900円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000324320

西日本新聞 読書案内編集部

PR

読書 アクセスランキング

PR

注目のテーマ