朝倉市が長期避難解除申請へ 半数超、集落離れ再建 豪雨から2年半

西日本新聞 社会面 横山 太郎

 2017年7月の九州豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市は、被災者生活再建支援法に基づき「長期避難世帯」に認定されている6集落の計91世帯について、今春をめどに県へ認定解除を申請する方針を固めた。応急復旧工事が完了したことなどから、二次災害のリスクが軽減されたと判断した。豪雨発生から今月5日で2年半。市は分散して避難生活を送る住民の帰還を実現させ、集落再生に向けた取り組みを本格化させたい考えだ。

 林裕二市長は西日本新聞の取材に「何度も現場に足を運び、戻れる家がある方は戻れる状況が整ったと判断し、解除に向けた申請を決めた」と明言した。

 長期避難世帯の対象は高木地区の疣目(いぼめ)、黒松、松末(ますえ)地区の乙石、中村、石詰、小河内の6集落。いずれの集落も山間部の川沿いにあり、多くの家が豪雨による川の氾濫や山腹崩壊などで被害を受け、全壊は59世帯に及んだ。

 二次災害が起きる恐れがあったため、県は18年10月、市の申請を受け91世帯を長期避難世帯に認定。同世帯は、家屋の被害程度にかかわらず全壊相当の支援金などが受けられる一方、居住ができないなど生活再建が制限されていた。避難生活の長期化に伴い、家屋が残る住民などから早期解除を求める声が上がっていた。

 市によると、応急復旧工事が完了し、砂防や山腹崩壊対策事業も進んでいる。19年の大雨や台風で大きな被害が出なかったことも踏まえ、早期避難を徹底すれば、集落に戻っても居住の安全性は確保できると判断した。市は今年3月末までの認定解除の申請を目指して、今後、有識者の意見を聞く。

 ただ、認定が解除されても、集落再生には厳しい現実が待ち受ける。市の住宅再建調査(19年12月20日現在)によると、対象の91世帯のうち集落を離れてすでに住宅を再建した世帯は5割を超す52世帯に上る。コミュニティーの活力をどう取り戻していくか、行政も含めて課題となりそうだ。

 林市長は「ハード、ソフトの両面で支援していく。コミュニティーの維持と再生へ、地元と一体でやっていきたい」と話している。 (横山太郎)

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