首里城再建、木材で協力 宮崎県など提供申し出、過去にも使用

西日本新聞 社会面 古川 剛光

 昨年10月に火災で主要施設が焼失した首里城(那覇市)の再建を後押ししようと、宮崎県など九州の自治体が、部材となる木材の提供を沖縄県に申し出ている。首里城の焼失は5度目とされ、過去の再建では九州産の木材が使われた歴史がある。再建には大量の木材が必要。宮崎県は要請があれば即応できるよう県内市町村などと情報交換に乗り出した。

 宮崎県はスギ丸太生産量が28年連続日本一。河野俊嗣知事は昨年11月の全国知事会議で、玉城デニー沖縄県知事に協力する意向を伝えた。「沖縄と宮崎は、戦時中の疎開の受け入れなど交流の歴史がある」と話す。今年の東京五輪の選手村に特産の飫肥(おび)杉を提供した宮崎県日南市は、姉妹都市の那覇市を通じ沖縄県に提供の意向を伝えており、既に市有林などで建材として使用可能な大木の調査を進めている。

 鹿児島県も支援の意向を伝達。同県屋久島町などがスギ丸太の提供を同県に申し出ている。

 首里城を管理する沖縄美(ちゅ)ら島(しま)財団によると、1709年の3度目の焼失で、薩摩藩から約2万本の材木が提供され、建て直したとの記録がある。太平洋戦争で4度目の焼失。内閣府沖縄総合事務局によると、前回1992年の「正殿」復元では台湾産ヒノキ約150本のほか、正殿正面の唐破風(からはふ)の屋根を支える豪華な向拝柱(こうはいばしら)に宮崎産イヌマキが使われるなど、一部で九州の木材が使われた。「南殿」の屋根裏にも宮崎産スギが使われたという。

 沖縄の方言で「チャーギ」と呼ばれるイヌマキはシロアリや湿気に強いとされ、琉球王国は首里城の建材として管理していた。92年の復元では地元で調達できず、住民有志が93年から植樹活動を展開する。ただ、柱に使えるまで育つには約100年かかるため、今回の再建には間に合わない。

 台湾産ヒノキの伐採は規制されており、世界的にも柱向きの大径木は枯渇している。どう木材を調達するかなどの課題は、沖縄県も参加する国の有識者会議が昨年末から議論を始めたばかり。林野庁も都道府県などを通じ、情報収集を進めている。宮崎県山村・木材振興課は「木材団体などとも連携し協力したい」としている。 (古川剛光)

【ワードBOX】首里城

 琉球王国(1429~1879年)の政治、外交、文化の中心的役割を果たした城。国王が政治や儀式を執り行う「正殿」は2層3階建て。竜の彫刻が施された柱など独自の形式を持つ。中国の使者を迎える「北殿」は中国風、薩摩藩の接待に使われた「南殿」は日本風の建築様式。2000年に首里城跡を含む「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」が世界遺産に登録された。

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