飲酒運転、罰則基準未満でも受診義務化 全国初、福岡県議会が検討

西日本新聞 一面 大坪 拓也

 福岡県議会が、道路交通法の酒気帯び運転の罰則基準に満たない違反を繰り返した場合などに、アルコール依存症の受診や飲酒指導の受講を義務づける飲酒運転撲滅条例の改正案を議員提案する方向で検討していることが分かった。罰則のある摘発者は既に義務化しているが、対象を拡大し、飲酒習慣に問題がある人を減らして事故防止につなげるのが狙い。6月議会までの成立、8月までの施行を目指す。

 県議会事務局などによると、基準値未満の違反者の受診義務などを盛り込んだ条例は全国初となる。

 運転時に呼気1リットル当たり0・15ミリグラム(基準値)以上のアルコール分が検出されると摘発され、県内の違反者は条例に基づき、医療機関や保健所などでアルコール依存症に関する診察または飲酒行動に関する指導を受けなければならない。一方、0・15ミリグラム未満は警告を受けるが罰則はなく、診察や指導も対象外だ。今回の条例改正案では5年以内に2度の警告や、警告と摘発を受けた違反者も診察や指導の対象とし、従わなければ5万円の過料を科す。

 県内の飲酒運転事故は、福岡市で3児死亡事故があった2006年の650件以降、減少傾向にあるが近年は横ばい状態で、19年(11月末時点)は全国ワースト5位の121件発生している。警察庁によると18年の全国の飲酒運転事故は3355件で、このうち基準値未満は547件だった。過去5年でも2割近くを占める。県内の警告は17年396件、18年244件、19年(同)364件に上る。

 アルコール依存症に詳しい肥前精神医療センター(佐賀県)の武藤岳夫精神科医長は「基準値未満でも運転に必要な注意力や反応力は低下し危険。発覚時に数値は低くても飲酒習慣に問題を抱えている可能性はあり、受診などの義務化に効果を見込める」と話す。

 福岡市の3児死亡事故を機に、全国で飲酒運転撲滅の機運が高まり、福岡県は12年、全国で初めて罰則付きの同条例を施行、15年に改正した。今回の改正案には飲酒運転防止をより徹底させるため、市町村に対して条例や基本計画の策定を求める文言も盛り込む。

 改正案を昨年10月から議論している県議会の飲酒運転撲滅条例勉強会(座長・樋口明県議)が今後素案をまとめる。 (大坪拓也)

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