大迫力の進水式を観光の目玉に 佐伯市がツアー企画、造船の町PR

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

 大分県佐伯市が、進水式を目玉にした観光振興に乗り出した。巨大な貨物船を初めて海に浮かべる華々しい進水式は大迫力で、造船業を主要産業とする佐伯ならではの光景。市観光協会ではツアーを組むなどしてファンの取り込みを図ろうとしている。

 金属が擦れるゴォーという音とともに、船台からゆっくりと滑り出す大型貨物船(積載量3万7千トン)。水しぶきを上げて船尾から着水し、船首に付けられたカラフルな紙テープと割れたくす玉がふわりと舞った。

 佐伯市鶴谷町にある佐伯重工業で昨年12月にあった進水式には地域の人々など約400人が参加。その中にはJR大分駅を発着する観光ツアーの参加者約20人もいた。

 市観光協会によると、進水式を活用した観光ツアーは2018年11月に初めて実施。3回目となる昨年12月のツアーでは、全国に塩こうじを広めたとされる糀屋本店(同市)訪問なども盛り込み、参加者からは「進水式の迫力に圧倒された」「感動した」「こうじ料理の世界に初めて触れた」と評価する声が上がった。

 市観光協会によると、進水式を公開しているのは佐伯重工業、本田重工業(同市鶴望)、三浦造船所(同)の3社。18年度には3社で計25回の進水式が公開され、19年度には既に終了した14回を含めて計20回が予定されている。「産業を観光に生かしたい」という市に対して3社は協力的で、市観光協会は旅行会社に進水式ツアーの実施を積極的に提案。今年2月には福岡県内発着の初めての1泊ツアーも企画されている。

 進水式で船と船台をつなぐ「支綱(しこう)」をおので切断するのは主に船主の妻や娘など女性が担い、支綱切断によって船が動きだすとともに、綱につながれたシャンパンが船首にぶつかって割られる。進水式では、息づく独特の文化に触れられるとともに、普段は入れない工場内の巨大クレーンなどを間近に見学できるのも大きな魅力となっている。

 市観光協会の永松毅文業務執行理事は「ツアー参加者の評判は上々。他の自治体にないものを前面に打ち出し、福岡都市圏などに佐伯をPRしていきたい」としている。(稲田二郎)

大分県の天気予報

PR

大分 アクセスランキング

PR

注目のテーマ