博多の歴史を電柱で学ぼう 偉人や秘話の案内板120カ所

西日本新聞 ふくおか都市圏版 手嶋 秀剛

 博多の街を歩くと、あちこちでユニークな電柱が目を引く。広告スペースの柱に設置された看板は、さながら「歴史案内板」。その場所にゆかりの人物や史実を軽妙なタッチで紹介している。企画したのは誰? どこにどんな電柱があるのだろう? 興味津々で“広告主”を訪ねた。

 「案内は博多部を中心に120カ所にあります」と、教えてくれたのは設置した市民団体「ハカタ・リバイバル・プラン」の立石武泰会長(67)=福岡市博多区大博町。立石さんは1921年創業の額縁店主で、郷土史の再発見を通したまちづくりを進めている。「電柱歴史案内」は2008年から続く取り組みで、広告費を払って掲示し、目標は2千カ所という。

 立石さんから手渡された「電柱マップ」を手に早速、博多の街の「歴史探索」に出かけた。

 額縁店からほど近い博多港。マリンメッセ福岡近くの都市高速道下に「めんたいニッポン上陸の地」の電柱があった。辛子めんたいこ「ふくや」の創業者、故川原俊夫さんが沖縄・伊良部島の戦地から引き揚げて着いた、博多港中央埠頭(ふとう)を「めんたいこの上陸地」と紹介。川原さんがその後、中洲市場で辛子めんたいこを売り出したエピソードが記されていた。

 海を背に博多の中心部に向かうと、オッペケぺー節で名をはせた演劇人、川上音二郎の誕生碑が立つ神社があった。その近くの電柱には「明治期に新派劇引っ提げて、海外雄飛した博多っ子、音二郎しゃん」との看板があり、音二郎の生涯を紹介していた。

 その隣の電柱には、音二郎を「分割払いの祖?」と名付けた看板も。銀座の時計店で買って、両親に贈った純金、ダイヤ入りのブレスレットの代金が払えず「ある時払い」で完済した話が記されていた。

 看板では人物の来歴だけでなく、子孫や縁者に代々伝わる秘話も紹介。サイドストーリーに意外な素顔がのぞく。博多の豪商で茶人だった神屋宗湛(そうたん)の屋敷跡(現博多小)近くには、しゃれっ気たっぷりの看板があった。「太閤秀吉様ご来店!純喫茶『神屋宗湛邸』」

 このほか、高杉晋作、種田山頭火、夢野久作、柳原白蓮など、名だたる人物たちが、ゆかりある場所の“案内電柱”で紹介されていた。「ハカタ・リバイバル・プラン」では2月、新たに5~6カ所の電柱に看板を設置する予定。さらに楽しみが増えそうだ。

 マップは「福岡市公式シティガイド・よかとこ」のホームページ(「はかた博物館」で検索)で見ることができる。 (手嶋秀剛)

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