ローマにまつわる格言は多い…

西日本新聞 オピニオン面

 ローマにまつわる格言は多い。Do in Rome as the Romans do.これもその一つ。郷に入りては郷に従え-である。それにあえて逆らい、自らの名のごとく国外にgoneした

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告。特別背任などの罪で起訴され、保釈中だった。無実を主張するのはいいが、日本の司法制度を一方的に批判し、密出国を正当化する逃走劇は看過し難い

▼思えば、この事件は2018年秋に東京地検特捜部が摘発。その後も年をまたぎ19年春まで捜査が続き、昨年の今ごろもメディアは取材に奔走した。いわば2年続きの騒動だ

▼ローマは一日にしてならず-この戒めも、彼にはぴんとこないのだろう。日産の経営を短期間でV字回復させ、巨額の報酬を手にした。そこに過信やおごりはなかったか

▼「短気を起こしてプロセスを省略すると、ろくなことにならない」「慌てず忍耐強くプロセスに必要な段階を全て踏むことが大切だ」。彼の経営者としての「名言」の中に、こんな言葉もあるのだが…

▼日本の司法関係者が受けた衝撃も大きいが、国際手配された被告が逃亡を続けるのも至難だろう。肝心なのは事件の真相究明だ。言い分があるなら速やかに日本に戻り、「裁き」の場で主張すればよかろう。どんな道をたどろうと行き着く先(真理)は一つという格言もある。全ての道はローマに通ず―である。

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