年初から気持ちが落ち着かない…

西日本新聞 社会面 塚崎 謙太郎

 年初から気持ちが落ち着かない。イランの人々がまた戦争に巻き込まれるのか。トランプ米大統領が警告した攻撃先の数「52」は1979年、イラン革命の中で起きた米大使館人質事件の人数という。

 事件前年まで2年間、私はイランに暮らした。父が勤める日系企業の工場があった。小学校低学年、日本人学校だったが近所では地元の子と遊んだ。パン(ナン)を買いに1人で出掛け、バラの宮殿を写生し、後に世界遺産となる遺跡でかくれんぼをした。大人は異国で苦労も多かったろうが、幼い目には人は優しく、町も自然も美しかった。

 日本では90年代に変造テレホンカードを売る姿が広まって以来、イスラム教への偏見もあり、イラン人は悪印象で語られることが多い。でも私の記憶に刻まれているのは町の善き人たち。正義を振りかざし合う報復の連鎖が、市井の人々に何をもたらすのか。世界は幾度も経験し、学んだはずだ。 (塚崎謙太郎)

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