中村哲氏に菊池寛賞 ペシャワール会 30年の活動評価

西日本新聞

 第61回菊池寛賞(日本文学振興会主催)はアフガニスタンで人道支援を続けるペシャワール会(福岡市)の現地代表の中村哲医師(67)や人気バンドのサザンオールスターズなどに決まり、15日発表された。

 中村医師は84年5月、パキスタン・ペシャワルに赴任。ハンセン病治療を中心に貧困層の治療に携わり、86年からはアフガニスタン難民の医療救援活動を開始した。2000年の大干ばつに伴い、アフガニスタン国内の飲料水や灌漑(かんがい)水源の確保のため、井戸や水路の復旧・建設に取り組んだ。

 振興会は中村医師について、山岳地帯での医療活動やアフガン難民の対策事業、井戸掘りによる水源確保など30年にわたる活動を評価した。サザンは、デビュー35周年の今日まで現代日本の文化に多大な影響を与えてきた、としている。

 ほかの受賞者は児童文学作家の中川李枝子氏と絵本画家の山脇百合子氏▽文楽の太夫竹本住大夫▽世界で初めてダイオウイカの撮影に成功したNHKスペシャル・シリーズ「深海の巨大生物」。賞金は各100万円。贈呈式は12月上旬、東京都内で。

 菊池寛賞の受賞が決まった中村哲医師は滞在先のアフガニスタンから福岡市のペシャワール会事務局に電話で「菊池寛氏は『恩讐の彼方に』で、青洞門を掘り抜いた僧侶を書いた。(用水路建設で)私も似たようなことをしているから、受けたい」と伝えた。ただ、現地での活動が忙しく12月上旬の授賞式には帰国できそうにないという。

 中村医師は「麦と兵隊」「花と龍」などを著した火野葦平のおい。葦平の三男の玉井史太郎さん(76)=北九州市若松区=は「中村医師の人のために尽くす精神は、葦平に通じる。生命の危険を感じながら続けてきた仕事が評価され、喜ばしい」と語った。

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