アフガンに用水路完成 ペシャーワール会の中村医師 12万人の食料確保へ

西日本新聞 九州+

 アフガニスタンで医療活動を続ける非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表、中村哲医師(60)=福岡県大牟田市=は5日、福岡市内で会見し、全長13㌔のかんがい用水路を完成させたと発表した。中村医師は「これで大勢の人々への食料供給が可能になる」と喜びを語った。

 用水路はアフガニスタン東部のジャララバード近郊を流れるインダス川支流のクナール川沿いに建設。2000年に始まった大干ばつで農地が荒れ、深刻な食料難に陥ったことから、中村医師が建設を決意した。03年から十数人の日本人スタッフとともに現場指揮を執り、米軍による武装勢力への攻撃が続く中、現地住民延べ38万人が作業に従事、今年3月末に完成した。総工費約9億円は同会への寄付でまかなった。

 水路の最大水量は1日約50万㌧、約6千㌶の耕地に送水する。約2万㌧の小麦が生産でき、約12万5千人分の食料確保につながるという。同水路は中村医師が「真珠のようにきれいな水で大地を潤したい」との願いを込め、ペルシャ語で「真珠」を意味する「マルワリード用水路」と命名した。

 現地では米軍のヘリから機銃掃射されたり、車を走行中に米兵の装甲車からワインの瓶を投げられ運転手が頭にけがを負ったりする危険もあったという。4月には二期工事に着手し、水路を約6・8㌔延長、さらに約5千㌶への送水を目指す。

 中村医師は「もう戦はやめてほしいというのが住民の思い。国の大部分を占める農民の生存保障、水と緑の回復こそが国の復興の礎。用水路の完成が平和への一里塚となることを願ってやまない」と話している。

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