聞き書き「一歩も退かんど」(57) 全員無罪バンザーイ 志布志事件冤罪被害者 川畑幸夫さん

西日本新聞 オピニオン面 鶴丸 哲雄

 2007年2月23日。いよいよ志布志事件の判決が言い渡されます。私の踏み字国家賠償訴訟の勝訴が追い風になり、無罪になると信じてはいますが、裁判は最後まで分かりません。

 実際、懸念材料が一つありました。前年7月の公判で、捜査段階でいったん容疑を認めた被告6人の自白調書が証拠採用されていたのです。他に有力な物証に乏しい検察側にとって、調書が不採用となれば、そこで敗北が決定的になったのですが…。

 そんなことを思い返しつつ、私は「川畑の街宣車」で鹿児島地裁へ。202号廷の傍聴席は志布志から駆けつけた家族や支援者で埋まっています。被告12人は緊張の面持ち。私も経験したのでよく分かります。判決の直前は自分が自分じゃないというか、何とも言えない気分なのです。谷敏行裁判長が着席しました。

 「主文。被告人12名はいずれも無罪」

 その瞬間、私は傍聴席で立ち上がり、両手を上げて叫びました。「バンザーイ」

 判決の詳しい話はあすに回します。きょうは、苦しみに耐え抜いて無罪を勝ち取った私の仲間12人の顔を、とくとご覧ください。 (聞き手 鶴丸哲雄)

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