【世界のミカタ】ブータン 伝統文化を大切にする国

西日本新聞 こども面 中野 慧

留学生のチミ・カンドゥさんに聞く

 今回の「世界のミカタ」はブータンです。面積は九州より少し小さく、人口は佐賀県とほぼ同じ小さな国で、伝統文化をとても大切にしています。日本語を学ぶ留学生のチミ・カンドゥさん(23)にふるさとの話を聞きました。(中野慧) 

【紙面PDF】ブータン 伝統文化を大切にする国

 チミさんは日本の着物に似たゴという民族衣装姿で現れた。女性が着るのはキラ。伝統文化を守るため、会社や学校、寺など公の場では民族衣装を着るのがルールだ。チミさんは「ゴのおなかの部分にはスペースがあるので、財布や食べ物、赤ちゃんを入れる人もいる。世界で一番大きなポケットですよ」と笑った。

 伝統的な暮らしや考え方を大切にするブータンは、50年ほど前までよその国とほとんど交流しない鎖国政策を取ってきた。テレビ放送とインターネットが始まったのはチミさんが3歳だったころ。「私はアニメ『NARUTO-ナルト-』と一緒に育った世代。他の日本のアニメやインド映画もたくさん見ました」

 高校時代は洋服を着て友人と街で遊び、カラオケを楽しんだ思い出も。しかし、「伝統文化もしっかりと学んだ」と胸を張る。

 学校では伝統文化の授業があり、仏教の寺での作法などを習う。放課後にお祈りの時間がある日も。生活の中で仏教の行事も多い。チミさんが懐かしがるのはお正月「ロサ」。「家族で集まっておかゆを食べる。塩とバターで作るお茶『スジャ』をおじいさんが歌いながら作ってくれた」

 チミさんが「GNHを知っていますか?」とたずねた。GNHとは「国民総幸福量(Gross National Happiness)」を短くした英語で、ブータンが大切にしている考え方。チミさんは「国づくりにはお金は大切だけど、人のためには幸せが大切」と教えてくれた。「それにしても日本人は朝から晩まで働きますね。ブータン人は夜は家に帰って寝るんですが…」

▼こどものQ ブータンの人たちはいろいろな言葉を話すと聞きました。チミさんは何語を話しますか?

▼チミさん 家族や村の人と話すときは地元のモンガル県で多く話されるシャーチョプ語。他の地域の人との会話は公用語のゾンカ語で、学校の授業は英語。小学校のころはインド映画の影響でヒンディー語も少し覚えました。

   ◇   ◇

国名 ブータン王国

首都 ティンプー

面積 3万8394平方キロメートル

人口 81万7000人(2018年推定)

通貨 ヌルタム

宗教 仏教が国の宗教。チベット仏教がほとんど。ほかにヒンズー教など

住民 チベット系のブータン人50%、ネパール系35%、先住民など15%

言語 公用語はチベット系のゾンカ語。ほかにネパール語や英語

※共同通信社「世界の年鑑2019」より

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