火災、発砲 真実を追え 物理科の西嶋、戸山さん 科捜研のリアル❽ (2ページ目)

西日本新聞 黒田 加那

 ◆「状態が悪いほどファイトがわく」

 火災現場で黒焦げの拳銃が見つかることもある。事件で使ったものを証拠隠滅した可能性が高い。

 「どんな状態でも拳銃があれば大丈夫」。物理科で銃関連の鑑定を担う戸山恭平さん(41)が自信を持って答えた。

 焼けたものだけでなく、川や海、土の中から出てきたさびだらけの拳銃、バネが効かず発射できなくなったものに向き合ったこともある。

 銃全体に油を差し、慎重に工具でたたき、丹念にさびを取るなど、数日かけて修復するという。「状態が悪いほどファイトがわく」と戸山さん。元の機能を取り戻した拳銃で試射した弾丸と、過去の事件の弾丸を比較し、どの事件に使用されたか特定するそうだ。

 発砲事件が起き、現場に拳銃が残っていなくても、弾丸から銃の種類を調べることができる。

 鍵を握るのは「ライフリング」と呼ばれる銃の中にあるらせん状の溝。弾をまっすぐ飛ばすためのもので、銃によって構造が違い、弾丸に微妙に異なる線の痕跡が残る。比較顕微鏡を使い、この「線条痕」を見比べて銃を特定する。「難しいけど、一つの銃の特定で余罪が明らかになることもある」。目指すのは銃犯罪の根絶だ。(黒田加那)

(この連載は毎週木曜正午に配信します)

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