「競争力を冷徹にみないといけない」…

西日本新聞 社会面 永松 英一郎

 「競争力を冷徹にみないといけない」。4年前に三菱重工業の社長だった宮永俊一氏(現会長)にインタビューした際、祖業でもある長崎市での造船事業の将来について水を向けると、そんな答えが返ってきたことを思い出した。

 同社が昨年末、長崎造船所の主力拠点である香焼工場(長崎市)の売却を検討していることを正式に表明した。長崎造船所では数年前に大型客船建造で巨額損失を出したことが記憶に新しい。その後は大型客船以外の分野に注力したが、厳しい状況が続いていた。将来性を「冷徹」に見極めた判断なのだろう。

 三菱グループの創業者、岩崎弥太郎が長崎で造船事業に本格的に乗り出したのが1884年。三菱にとって長崎が特別な土地であるように、長崎にとっても三菱は特別な企業だ。それでも事業縮小が避けられない現実。グローバリゼーションに翻弄(ほんろう)される日本の重厚長大産業の悲哀をみる思いがする。(永松英一郎)

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