かんぽ不正「全容解明急ぐ」 日本郵政・増田社長が就任会見

西日本新聞 一面 古川 幸太郎 中野 雄策

 日本郵政の増田寛也社長は9日、就任後初めての記者会見を東京都内で開いた。かんぽ生命保険の不正販売問題について「一刻も早く全容を解明し、顧客の不利益を解消する」と述べ、調査の対象を拡大する方針を示した。かんぽ生命商品の販売再開時期は「まだ今、考えていない」として明示しなかった。

 今月6日付で就任した増田社長のほか、日本郵便の衣川和秀社長、かんぽ生命の千田哲也社長の3人が記者会見に出席した。

 増田氏は会見の冒頭、不正販売問題を謝罪した上で「(日本郵政グループの)創立以来の最大の危機だ」と改めて訴えた。法令順守や企業統治の改善策を検討する組織を社内に設置しており、今後、外部の専門家も招くという。

 不正販売問題では、約18万3千件を不適切な販売の可能性がある「特定事案」として重点的に調査している。それ以外にも、高齢者に孫や子どもを被保険者に保険を加入させる悪質な契約などが判明しており、増田氏は「特定事案以外のものも、優先度を上げて調査する」と説明。約3千万件の全契約も特定事案と同様に調査する考えを示した。

 金融庁と総務省はかんぽ生命商品の新規販売業務を1月1日から3月末まで停止する行政処分を命じている。4月以降の販売再開について、増田氏は「どういう段階になったら再開できるか、改めて考えたい」と述べるにとどめた。

 辞任した日本郵政上級副社長が総務事務次官から行政処分の検討状況を聞き出していた情報漏えい問題については「官民癒着が起きているのではないかということで、調査をすべきだと考えた」と語った。調査をしないと主張していた前経営陣の方針を転換した。

 日本郵政社長就任の経緯について、増田氏は昨年末に要請を一度固辞したことを明かし「情報漏えいで官民癒着の批判が出ており、民間では誰も引き受けられる人がいないと思った」と説明した。 (中野雄策、古川幸太郎)

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