中学受験は公欠?欠席? 自治体で差…文科省通知はあいまい表現

西日本新聞 社会面 泉 修平

 娘が私立中学校を受験する平日を「公欠」にしてほしいと小学校にお願いしたら「できない」と言われた。入学から無遅刻無欠席だったので、残念がっている-。受験シーズンの本格化を前に福岡市立小の6年生女児の父親から「あなたの特命取材班」に、こんな相談が寄せられた。調べてみると、文部科学省が通知で高校受験を「欠席にしない」と示す一方、中学受験については記載がなく、自治体によって対応が異なっていることが分かった。

 父親によると、女児は今月以降、市内にある四つの私立中学の受験を予定。うち1校の入試が平日のため小学校を休まざるを得ず、昨年11月末に担任教諭に相談したところ、後日、「欠席扱いになる」と伝えられたという。

 女児は皆勤を励みにしており、父親は「高校受験や大学受験は公欠扱いになると聞くので、納得できない」と憤る。「公立中学に進むのが当たり前ということなのでしょうか」

 受験時の出欠席の扱いに基準はあるのだろうか。福岡市教育委員会によると、同様の相談は年1、2件ほどあり、高校受験は「出席扱い」、中学受験は「欠席」とする方針を学校側に伝えているという。

 同教委が小中学校で判断を分ける根拠として挙げるのが学習指導要領だ。中学生の教育課程には進路指導が含まれるが小学生にはなく、「中学受験は教育課程の延長とは認められない」として、「欠席と判断される」とのことだった。

   ◇    ◇ 

 文科省の考えはどうか。学習指導要領改定時に出される通知には、中学校で欠席に加えない日数の一つに「選抜のための学力検査の受験」と明記されていた。しかし、小学校に対してはこの文言が省かれ、「教育上、特に必要な場合」との表現にとどまっている。

 同省の担当者は「小中学校ともに『受験による欠席』を想定した文言と聞いている。なぜ表現が違うのかは不明だが、中学受験の頻度には地域差があるので明文化されなかったのではないか」と説明。その上で、中学受験も「校長判断」で「『欠席』にしないことができる」との認識を示した。

 こうしたあいまいな基準のためか、中学受験による出欠の扱いは自治体によって分かれている。九州の政令市と県庁所在地の市教委に聞いたところ、長崎市と佐賀市が「出席扱い」を原則とする一方、北九州市などその他の5市は文科省通知などを根拠に「校長判断」としている。熊本市は「ほぼ出席扱いにしているはず」、大分、宮崎、鹿児島の3市は「県内の私立中受験日はすべて休日のため問題は発生していない」と話した。

 ある市教委の担当者は「受験の重要性は小中学生どちらにも同じで、すべて公欠にするのが常識的ではないか。公平性を保つためにも文科省は分かりやすい方針を示してほしい」と要望した。 (泉修平)

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