アトピー性皮膚炎 予防や対処を【続・産業医が診る働き方改革7】

西日本新聞

 「工場で働きだしてから全身のかゆみが増してきた」と、全身が赤くなった柴田次郎さん(32)=仮名=が嘆いていました。皮膚科専門医を受診したところ、アトピー性皮膚炎と診断されました。

 アトピー性皮膚炎はかゆみを伴い、慢性的に経過する皮膚炎です。昔は子どもの頃に発症し大人になると良くなるといわれていましたが、最近は大人になってからアトピー性皮膚炎を生じる例が増えています。

 冬に空気が乾燥すると、アトピー性皮膚炎の人は皮膚がかさかさになって、かゆみが増します。皮膚の乾燥を防ぐために、加湿器などを利用して室内の湿度を保つことが肝要です。衣類も皮膚に刺激を与えるとかゆみを引き起こすことがありますので、肌着はウールや化学繊維を避け、できるだけ木綿のものがお勧めです。また皮膚をかいて傷つけると余計にかゆみが増すことがありますので、爪はいつも短く、清潔にしておく方がよいでしょう。

 皮膚が温まるとアトピー性皮膚炎のかゆみは悪化しますが、かゆくて仕方ないときは冷やすとかゆみが減ることもあります。またアルコールや香辛料などによりかゆみが悪化する場合があり、これらの摂取を控えめにするのも予防策の一つです。

 精神的ストレスでかゆみが悪くなる場合もありますので、心当たりがあれば上手に対処することも大切です。

 柴田さんは血液検査でほこりにアレルギーがあることが判明したため、産業医にも相談して工場内をこまめに掃除するなど環境を改善することで、赤みやかゆみは次第に治まっていきました。アトピー性皮膚炎は職場や家庭の日常環境が悪化の原因になります。塗り薬や飲み薬、注射などの治療に加え、日常の身の回りをもう一度見つめ直し、環境改善を図っていくことが重要です。(産業医大・中村元信)

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