温暖化対策、九州と連携を 駐大阪英国総領事セーラ・ウテン氏に聞く

西日本新聞 国際面 久永 健志

 在大阪英国総領事館のセーラ・ウテン総領事が西日本新聞社を訪れ、英国の地球温暖化対策の取り組みなどを説明した。英国は11月に開く国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催国。ウテン氏は、九州にある環境技術や関連企業と英国の連携に強い期待を示した。今月末の実現が事実上確定した英国の欧州連合(EU)離脱に関しては「離脱後は日本との2国間(通商)協定が優先になる」と述べ、日本との関係強化の必要性を強調した。

 -昨年のCOP25は、一部積み残されていたパリ協定の実施ルールの合意を先送りした。英国にはCOP26の開催国として、地球温暖化対策をリードする役割が期待されている。

 「英国は温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を、主要7カ国(G7)で初めて立法化した。大変野心的な目標だ。12年に国内発電量の約40%を担っていた石炭火力発電は、25年までにすべてなくす。日本にも野心的な目標を示してほしいし、連携していきたい」

 -日本、九州のどんな分野との連携に期待するか。

 「九州は日本の中でも再生可能資源が豊富だ。太陽光だけでなく地熱や風力もあり、水素利用の研究も進んでいる。英国も気候変動対策につながる技術を必要としており、環境技術に強みを持つ九州の企業や大学などと協力していきたい。気候変動対策に意欲的な地方自治体も九州に多く、とても注目している」

 「英国のスコットランドは洋上風力の先進地で、英国は発電能力で世界シェアの30%以上を占める。洋上風力への注目は日本でも高まっているので、協力を深めたい。また英国は安全性と経済性を重視した上でクリーンエネルギーとして原子力を活用していく方針だ。世界最高水準の技術を持っており、廃炉事業も含めて日本に協力していける」

 -EU離脱に不安を抱く日本企業は少なくない。

 「英国にとってEUとのパートナーシップは離脱後も重要であり、残された通商協議などが円滑に進むよう努めていく。また日本との2国間協定も優先事項であり、その中から新しいチャンスが生まれる可能性がある。科学技術の強さや柔軟な労働市場、低い税率といった英国市場の強みには変わりはなく、こうした点にも着目してほしい」 (聞き手は久永健志)

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