仮想都市で看護教育 福岡女学院看護大がデジタル教材

西日本新聞 医療面 斉藤 幸奈

 退院後の地域や家庭での暮らしを想像しながら看護する-。そんな看護師を育てるためのデジタル教材を福岡女学院看護大(福岡県古賀市)が開発し、活用している。ウェブ上の仮想都市に学生が知っておくべき疾患や背景を体現する患者が暮らしており、より具体的なケアを学べるという。

 仮想都市「ミッションタウン」には、がんや糖尿病、心筋梗塞などさまざまな疾患がある47人が居住。独居高齢者や外国人など、年齢や仕事、家族構成にも細かな設定がある。学生は各事例を通して病気への理解を深め、患者の暮らしぶりを知った上で最適なケアや支援を考えていく。

 教科書にも多様な事例は載っているが、デジタル教材の特色を生かし、患者は救急搬送されたり、退院したりと状況が変化する。専門業者と2年ほどかけて準備し、2018年度から講義で活用。新たな教育手法と評価され、本年度「日本eラーニング大賞」の厚生労働大臣賞を受賞した。

 4年の渡辺みなみさん(22)は「自分で操作して情報を得ていくので、頭に入りやすい」とした上で、「家族の協力があるかなど家庭の状況によって退院後の暮らしが大きく変わることがイメージできた。患者さんの家族関係に目を向ける重要性を感じている」。片野光男学長は「患者さんの背景に思いを巡らせることで、病気だけでなく“人間を診る”医療者を育てたい」と話している。 (斉藤幸奈)

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