「絶対につぶす」 郵便局長会背景に脅迫? 内部通報者パワハラ訴訟

西日本新聞 社会面 宮崎 拓朗 木村 知寛

 郵便局内で起きた不祥事を内部通報したところ、脅迫されて役職辞任などに追い込まれたとして福岡県直方市の郵便局長7人が、同じ地区内で要職に就く局長3人に総額2950万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、福岡地裁(松葉佐隆之裁判長)であった。被告側は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。被告側の代理人は「具体的な反論内容は後日示す」としている。

 原告は、直方市や同県飯塚市など5市7町の郵便局でつくる「筑前東部地区連絡会」に所属。被告は同連絡会トップの統括局長、前統括局長、副統括局長の3人。

 訴状によると、直方市内で郵便局長を務めていた前統括局長の息子に関する社内規定違反の情報が複数の局員から寄せられ、原告は2018年、日本郵便本社の内部通報窓口に通報。その結果、前統括局長から「俺の力があれば、誰が通報したか必ず分かる」と内部通報したことを認めるよう迫られ、「犯人が局長やったら、そいつら絶対につぶす」「誰のおかげで局長になれたと思っているのか」と繰り返し脅迫されたという。

 統括局長と副統括局長らは19年3月以降、原告のうち3人に社内の役職を辞めるよう要求。1人が降格させられ、2人はうつ状態となり、辞任届を提出せざるを得ない状況に追い込まれたという。

 原告によると、日本郵便の人事は、約2万人の郵便局長が所属する任意団体「全国郵便局長会」の序列と連動して決まる慣習があるといい、前統括局長は同年3月まで九州地方局長会では副会長、日本郵便九州支社ではナンバー2の副主幹統括局長を務めていた。

 原告側は「局長の実質的な人事権は局長会が握っている。権力者に逆らうと追放され、局長を続けられなくなる」と訴えている。

 日本郵便の社内規定は、コンプライアンス(法令順守)違反を知った社員に会社への報告を義務づける。通報者の秘匿性は担保され、通報者に不利益を与えた場合は厳正に対処するとしている。

■前統括局長を書類送検

 福岡県警は14日、郵便局内の不祥事を内部通報した郵便局長に対して通報したことを認めるよう迫ったとして、日本郵便の同県筑前東部地区連絡会の前統括局長を強要未遂容疑で福岡地検飯塚支部に書類送検した。関係者への取材で分かった。

 関係者によると、同県直方市で局長を務めていた前統括局長の息子に関する社内規定違反の情報が複数の局員から寄せられ、被害者の男性局長は2018年に日本郵便本社の内部通報窓口に実名で通報。通報されたことを知った前統括局長は19年1月下旬、男性局長を呼び出し、通報したことを認めるよう脅迫した疑いが持たれている。(木村知寛、宮崎拓朗)

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