タクシーの後部座席に乗り込むと…

西日本新聞 オピニオン面

 タクシーの後部座席に乗り込むと、目の前の画面に「あなたに最適の広告を流します」。カメラで乗客の顔を撮影して人工知能(AI)が男女を識別。時間帯や走行区間なども加味し、乗客が好みそうな広告を選ぶのだそうだ

▼勝手に顔を撮られるのはいい気分ではないが、車内を録画する防犯カメラは常時作動が当たり前のご時世。抵抗が少ない人もいるのだろう

▼さらに技術が進めば、乗客の年齢や髪形、表情、服装などから、より精密な分析が可能になろう。そうなると自分向けのCMはどんなものか気になる。仮にスポーツジムの案内や薬・健康飲料、転職情報と続いたら。「仕事に疲れた中年サラリーマン」とAIに認定されてもうれしくない。年収まで推定されたりして

▼ひょっとして機械は既にすごく賢いのではと思うことがある。パソコンで記事を書く際の誤変換。ウクライナ疑惑で弾劾訴追されたトランプ米大統領の窮状を「トランプ氏断崖」と

▼大学入試改革を巡り、文部科学相の「身の丈」発言で地方や裕福ではない家庭の学生は傷つき、突然の変更に受験生が振り回された。この共通テストを、わがパソコンは「胸痛テスト」と変換。実にうまく間違える

▼AIの進歩で社会は便利に効率的になる一方で、人間の仕事はやがてなくなってしまうとの懸念もある。小欄も皮肉の効いたコラム書きの仕事をAIに奪われる日がやって来るかも。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ