フィリピンに保育園を 水俣市の住職・萩嶺さんが計画

西日本新聞 熊本版 村田 直隆

 熊本県水俣市などで保育園を運営する西方寺(同市葛渡)の住職萩嶺善信さん(66)が、フィリピンに保育園を建設する計画を進めている。貧しく十分な教育が受けられない子どもたちを支援するため、これまで定期的に足を運び、飲料水の確保や農地の開拓など生活環境の改善を進めてきた。2021年中に園舎の着工を目指す。

 萩嶺さんは10年ごろから、貧困に苦しむ子どもたちを支援する団体に寄付を続けてきた。「自分で支援活動をやってみたい」と思い立ち、15年から保育園をつくる地域を探し始めた。現地に日本人の知人がおり、日本から通いやすい場所として、フィリピン北部ルソン島のパンガシナン州の村を選んだ。

 16年に9800平方メートルの土地を購入。市長の許可をもらった上で、萩嶺さんに賛同した住民や水俣の仲間と一緒に密林を半年かけて伐採し、平地に変えた。

 萩嶺さんは「子供の教育の前に、水や食料を確保し、生活環境を改善することが必要」と考えた。村の井戸は雑菌が多かったため、現地業者に依頼して井戸掘りに着手。約50メートル掘って衛生面をクリアした水を確保し、地元の人たちが毎日利用するまでになった。

 新設する保育園の給食に使う米や野菜、果物を栽培する畑も開墾した。すでに多くの作物が育ち、作業に協力した村人が食材として利用している。昨年6月には、萩嶺さんを含むスタッフが滞在する家も敷地内に完成した。

 日本の仲間と2カ月に1回のペースでフィリピンに通う萩嶺さん。予想以上に現地での協力者が多く「計画より早く進んでいる」という。保育園舎は着工から2、3年で完成する見込みだが、「保育士の育成など教育システムの定着には、50年、100年かかる」と息の長い活動を見据える。

 保育園は貧しい子でも通えるよう保育料や給食費を無料にする考え。恒久的に運営できるよう寄付の受け皿となるNPO法人を水俣市に設立する予定だ。萩嶺さんは「子どもたちが夢や希望を持って人生を送れるように、村の人たちとの信頼関係を大切にしながら、計画を一歩一歩進めていきたい」と意気込む。(村田直隆)

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