博多松囃子「世界へ」 指導者の名越さん喜び 重要無形民俗文化財に

西日本新聞 社会面 日高 三朗

 「博多どんたく港まつり」(5月3、4日、福岡市)の起源である「博多松囃子(まつばやし)」が17日、国の重要無形民俗文化財に指定されることが事実上決まった。小学生の女児が厳かに舞う稚児流(ちごながれ)の舞姫はどんたくの見どころの一つ。「待ちに待った指定。子どもたちにも指導者にも誇りになる」。舞の指導を35年間続ける名越正志さん(72)=同市博多区=は喜びをかみしめた。

 松囃子は町村の素人衆による祝福芸能や仮装が特色だが、全国でも室町時代からの形式を残しているのは博多だけ。地元で工務店を営む名越さんは素人芸能の伝統を守り続けている功労者だ。

 明治時代以降、政府の禁止令や戦災、町界町名変更による構成組織「流」の衰退など危機を乗り越えた博多松囃子。稚児流も4流が東流と西流に半減し、時代の変化に応じて男児のみの舞から女児に切り替わった。

 舞姫役はほぼ2年おきに交代。そのたびに名越さんは一から指導する。1月中旬から約4カ月、足の運び、礼の仕方など、舞姫4人の動きが同調するように目を光らせる。「週3回の練習を35年間休んだことはない。風邪もひかれんですよ」

 混乱期を経ているため、古い形式の舞は残っていなかった。能の観世流を学んだ経験を生かし、独自の舞をつくり上げた。当初は1人だった指導員も地元の若手が名乗りを上げ、後継者を育成中。松囃子継承に力を尽くしている。

 名越さんには夢がある。国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録だ。博多祇園山笠は先に登録が実現。山笠振興会副会長の重職にあるが、「松囃子も山笠と同等のもの。世界へ発信したい」と願っている。(日高三朗)

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