ハンセン病「無知こそ差別の始まり」 家族訴訟原告団長が福岡で講演

西日本新聞 ふくおか都市圏版 郷 達也

 ハンセン病問題について考える映画上映会と講演会(九州弁護士会連合会主催)が18日、福岡市中央区の県弁護士会館であった。元患者家族への差別被害を認めて国に賠償を命じた、ハンセン病家族訴訟の原告団長林力さん(95)が講演。「すさまじい人権侵害をした国だったことを歴史にとどめ、次の時代を背負う人に継承しなければならない。私たちの責任は重い」と訴えた。ハンセン病がもたらした根深い差別や偏見の根絶へ、約70人の参加者と思いを新たにした。

 林さんは13歳のころ、父親が国立ハンセン病療養所「星塚敬愛園」(鹿児島県鹿屋市)に収容された。自宅は植木から井戸の中まで真っ白に消毒された。「学校では『くされの子』との大合唱になった」と、差別を受けた過去を振り返った。

 教員となり、療養所で再会した父から「父のことを人生の秘密とせよ。(患者が)身内であることを明らかにして幸せになった者は一人もいない」と、涙された経験も語った。

 福岡で同和教育運動を始めたことなども語った。「父があってこそ人権や差別を考える立場になり、気づかされた」と強調。「ハンセン病の歴史で、人間がどんなつらい目に遭い、どういう戦いをし、どう耐えてきたか」を追究することで「この国の人権の在り方や人権感覚を捉え直すことができる」と呼び掛けた。

 最後に「無知こそ差別の始まりだ。地方自治体や学校現場などで、大変な過ちの事実を改めて確認しなければならない」と締めくくった。

 講演に先立ち、患者の子どもがほかの保護者に小学校通学を拒否された事件を題材にした映画「あつい壁」が上映され、参加者は熱心に見入っていた。 (郷達也)

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