“謹慎中”郵便局ぴりぴり 販促品全て撤去、飲み会も禁止 かんぽ不正

西日本新聞 社会面 宮崎 拓朗

 かんぽ生命保険の不正販売問題を受け、金融庁から3カ月間の業務停止命令を受けた日本郵便。期間中に命令違反が発覚すれば、さらに厳しいペナルティーが科せられる恐れがあり、現場の郵便局にはぴりぴりした緊張感が漂う。各局に対し、かんぽ関連物品を撤去するなど営業禁止を徹底させるほか、社内の飲み会を全面禁止。同期会や誕生日会といった私的な会合への出席も控えるよう呼び掛けている。

 「かんぽのロゴが入ったポケットティッシュや保障設計書が業務室内で発見された局がある。関係資料の撤去さえできない会社なのかと、レッテルを貼られかねない惨状だ」

 今月上旬、関東地区の郵便局幹部による電話会議。出席者からは危機感を訴える発言が相次いだ。

 業務停止命令の期間中、郵便局では顧客自らが加入を希望したケースを除き、かんぽの保険営業が禁止される。違反があった場合、停止期間の延長や保険業の免許が取り消される可能性がある。

 同社は命令が出た昨年12月27日以降、全局員に対してかんぽ商品の勧誘禁止を繰り返し指導し、各局から「かんぽ」のロゴが入った販促用品や資料を全て撤去。監査担当者が各局を見回り、撤去漏れがないか厳しくチェックしている。

 受託販売するアフラック生命保険のがん保険は業務停止命令の対象外だが、一部の局では「命令に違反していると顧客から誤解されかねない」との理由で販促イベントを中止した。

 日本郵便の内部資料によると、1月6~8日のかんぽの新規契約申し込みは全国で333件。かんぽ生命が、顧客から本当に加入希望があったかを確認しているという。

 また、「綱紀粛正の徹底」と題した文書を各局に配布。社費を使用した懇親会や職場の送別会の禁止を呼び掛ける。「実施を極力控える行事」として同期会や会議後の私的な飲み会、誕生日会などを細かく列挙し、ソーシャルメディアによる不適切な情報発信などをしないよう注意喚起している。

 愛知県の局員は「大事な時期なのは分かるけど、誕生日会も自粛するよう指示されるなんて、まるで幼稚園みたいだ」と嘆いた。 (宮崎拓朗)

パロディー動画拡散 「ノルマ強要編」「幹部責任逃れ編」

 昨年12月ごろから、郵便局の保険営業担当者の間で米国の戦争映画の日本語字幕を書き換えたパロディー動画が出回っている。過酷な営業ノルマを現場に課してきた幹部が責任逃れする姿を風刺している。

 映画はベトナム戦争を題材にした「フルメタル・ジャケット」(スタンリー・キューブリック監督)。指導役の軍曹が体罰を加えながら兵士たちを叱責(しっせき)する場面の動画が使われており、かんぽ生命保険の不正販売の発覚前と発覚後で字幕内容が異なる2部構成。

 発覚前のバージョンでは、軍曹が兵士に向かって「かんぽがとれないヤツはクソだ!」「目標をやらんヤツは給料泥棒だ!」とどう喝。発覚後は、同じ場面のせりふが「真のお客さま本位の営業だぞ!」「お前たちのせいで謝罪会見だ!」と変えられていた。

 作成者は不明。保険の営業で用いる専門用語が多数使われており、社内関係者が作ったとみられる。同様に大ヒット映画「ランボー」の場面を使った動画もあった。会員制交流サイト(SNS)を通じて拡散しており、東京の局員は「現場のやり場のない怒りが代弁されているようで何回も見た」と話した。

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