リハビリで回復の期待 高次脳機能障害

西日本新聞 医療面

 福岡市の「高次脳機能障がい支援センター」所長で、支援コーディネーターの和田明美さんによると、症状が完全になくなることは少ないが、適切なリハビリと訓練で生活に支障がない程度に回復し、復職や自立が可能になるケースはある。

 発症後はまず記憶障害や注意障害、遂行機能障害などの改善に向け、医療機関でリハビリを受ける。退院後は障害者支援施設などに通って生活訓練や職業訓練を続ける。脳の機能回復を図るプログラムに加え、障害を補うために行動手順を書いたメモやスマートフォンのアラーム機能など「代償手段」の活用を習慣付けることも重要だ。

 必要な訓練期間や回復度は脳のダメージや年齢で異なる。和田さんは「どういう状態をリハビリのゴールとするかは置かれた環境によってさまざま。周囲が症状を理解し、支えることも不可欠」と強調する。

 脳卒中による高次脳機能障害の専門外来がある長尾病院(福岡市城南区)は、代表的な症状の一つ「半側空間無視」のリハビリに力を入れる。損傷を受けた大脳半球と反対側の視野にいる人や物に気付かなくなるため、右脳を損傷した人なら茶わんの左半分だけご飯を残したり、左側を歩いてくる人にぶつかったりしてしまう。左側に注意を向けるリハビリを重ねれば、症状は軽減するという。

 同病院は九州大芸工学部デザイン科と連携し、楽しみながらリハビリできる独自のゲームを導入。大型の電子黒板上で右から左に移動するキャラクターを専用の棒でたたき続ける。症状に合わせて難易度を設定でき、没頭する人も多い。服部文忠院長は「従来のリハビリをベースにしながら、新たな機器を活用して効果を上げる手法も提案したい」と話す。

PR

医療・健康 アクセスランキング

PR

注目のテーマ