去勢、避妊は若いうちに【きみとさいごまで】

西日本新聞

 一度は交尾をしておいた方がいい、去勢するとおとなしくなる-。こんな声をよく聞きます。今回は去勢や避妊の話です。

 去勢、避妊手術は成熟前がいいとされます。生後6カ月から手術ができ、1歳までが望ましいですね。成熟前はさまざまなメリットがあるからです。

 雄は成長ホルモンの分泌が止まり、子犬の頃の優しい性格のまま育つ傾向があります。高齢になってからの前立腺肥大も減ります。雌は卵巣腫瘍の発生率が下がり、子宮蓄膿(ちくのう)症や、発情で起きる乳腺腫瘍の恐れが減るようです。

 一方でデメリットもあります。懸念されるのは全身麻酔のリスク。体が小さい、体調が悪い、老化が進んでいる。これらの場合は危険性が高くなります。

 ウエストハイランド・ホワイトテリアの雌、レモンちゃん(13)は尿の臭いがきつく、下腹部も膨れていました。病院の診断結果は子宮蓄膿症で、摘出手術をすることに。レモンちゃんのように高齢になって手術をするとリスクが高くなります。

 手術をせず年を取り、前立腺肥大や子宮蓄膿症など高齢犬特有の病気になる犬は多くいます。高齢のため手術ができず、投薬治療で対応した結果、症状が悪くなる例も見てきました。それを考えると、若いうちに手術する利点は大きいと感じます。

 また、よく聞くのが「うちの犬はいつも腰を振っているけど、欲求不満かしら?」「一度も交尾をしたことがないから、かわいそう」という声です。

 雄が腰を振る動作は「マウンティング」と言います。これは「自分はあなたより上だ」というアピールなので、雌でもこの動きをすることがあります。

 雌は半年に一度、排卵期に陰部が膨らみます。その時のフェロモンを嗅ぎ、雄は発情するのです。発情期以外で交尾をすることはありません。犬や猫の交尾は子どもができるタイミングだけ。雌の飼い犬が野良犬と交尾していたら、病院で中絶手術を受けることをお勧めします。

 望まない妊娠や、高齢になってかかる病気を考えると、手術は大切だと思います。
  (老犬ホーム「トップ」代表)

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