陶芸失敗作、味わい深く 武雄市・陽光美術館で「かたやぶれもん展」

西日本新聞 佐賀版 古賀 英毅

 作陶の途中で曲がったり割れたりするなど意図した姿と違うものになった陶磁器などを集めた企画展「いとをし、かたやぶれもん展」が、佐賀県武雄市武雄町の陽光美術館で開かれている。窯跡の発掘で見つかった陶片から現代の作家の作品、失敗作が基となったデザインの中国の磁器など約100点を紹介。失敗とされた作品にもそれぞれに味わいがあり、陶芸の奥深さに触れることができる。

 企画展は昨年に続いて開催。発掘品は同市西川登町の「白木原1号窯跡」や同市武内町の「七曲窯跡」など17世紀前半の「古武雄」窯跡での出土物だ。いずれも失敗作として廃棄されたと考えられる。絵が描かれた唐津焼風の陶片もあれば磁器もある。形もかめなどの生活雑器から茶器まで多彩だ。

 現代の作品は、武雄や有田などの14窯元が出展。形がいびつになったり、割れ目が入ったりしている皿など20点が並ぶ。亀翁(きおう)窯(同市山内町)の古賀末廣さん(62)は、最初から意図して作ったオブジェのようにも見える割れた花器を出品している。窯焚きの時にまきがあたって割れたものだ。「失敗した作品だが、それに価値を見いだしてもらい新たな命を吹き込んでもらえるのはうれしい」と古賀さんは語る。

 青磁の表面に褐色のまだら模様がある「飛青磁玉壺春瓶(とびせいじぎょっこしゅんびん)」は中国・元時代に作られた作品。同館の神谷直子学芸員によると、青磁のうわぐすりの品質にムラがあったためにできた模様が人気となり、故意に作られるようになった意匠だ。失敗作が新境地を開いた例だ。

 神谷さんは「失敗と成功を繰り返して今の陶芸がある。伝統という型ができるまでの肥前窯業の歴史を感じてもらえれば」と話している。

 企画展は31日まで。一般600円、中学生以下無料。同美術館=0954(20)1187。 (古賀英毅)

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