防災教育、ICTで分かりやすく 熊本市の法人、小中高生向け取り組み

西日本新聞 熊本版 壇 知里

 熊本市の一般社団法人「SCBラボ」が、防災に活用できる実践的な情報通信技術(ICT)を子どもたちに学んでもらう事業「みんなの防災ICTクラブ」に取り組んでいる。2016年4月の熊本地震以降、県民の関心が高い「防災」を入り口に、小中高生にプログラミングやシステム構築の基礎教育を進める狙い。同法人は「将来イノベーションを起こすような人材を育てたい」としている。

 建物内の通路の模式図上に、小さな機械が並ぶ。1台にドライヤーで熱風を当てると、それ以外の機械のモニターに矢印が表示された。熱感知型のセンサーが反応し、火勢の弱い方向に向かって避難経路を示す仕組みだ。

 昨年12月29日、熊本市で行われたクラブの活動発表での一コマ。プログラム開発チームの一員、市立帯山西中1年の岩元喜明さん(13)は「学校にもあってほしいシステム。もっと勉強して、実際に使えるようにしたい」と意気込んだ。

 防災ICTクラブは昨年12月の毎週日曜日、SCBラボや崇城大、熊本市教育委員会などでつくる「市防災ICT人材育成協議会」が開催。自分で防災の仕組みを考えてプログラミングするコースや、ツイッターで流布する災害情報の真偽を判断しながら正確な情報を収集するコースが設けられ、県内の小中高生59人がICTの基礎を学んだ。

   ◇    ◇

 今回、ICTを学ぶ地域コミュニティーづくりを目的とした総務省の事業に採択されたが、これまでに防災をテーマとしたのは熊本だけ。同省担当者は「地域の特性が生かされている」と評価する。

 SCBラボの内藤豊・崇城大助教によると、防災を取り上げた理由は「子どもも大人も関係なく、県民の共通課題だから」。ICTを活用すれば、災害時に避難情報をより早く伝えたり、被災者のニーズが分析できたりするなど「多くの人の命を救うことにもつながる」と内藤助教。「子どもたち自身の実体験があるので、興味を持ちやすかったようだ」と話す。

 参加者から好評だったことを受けて、SCBラボは法人の事業として継続する方針。今年の夏休みは「防災プログラミングキャンプ」を計画している。

 今後の課題は、子どもたちが学んだ成果を、地域に還元できる場所づくりだ。内藤助教は「今後もICTの活用はどんどん進む。地方でもレベルの高いICTを学べる時代だからこそ、子どもの興味や意欲を育てる場が必要」と語った。 (壇知里)

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