高機能木材研究所、北九州市立大に完成 圧縮、不燃…量産化へ開発

西日本新聞 北九州版 岩佐 遼介

 強度の高い圧縮木材や不燃建材の開発を進める「メルディア高機能木材研究所」が、若松区の北九州市立大ひびきのキャンパスに完成した。どちらもコスト高が普及の障壁となる中、同大国際環境工学部の福田展淳教授(建築環境工学)らの研究グループは、将来的な量産化へ向けた実証実験を加速させる。

 圧縮木材は柱や梁(はり)などへの利用が期待されながら、量産が難しく、コストがかかるため利用が進んでいない。福田教授は2015年冬、不燃建材と合わせ、東京の総合住宅メーカー「三栄建築設計」(小池信三社長)と量産化に向けた共同研究を始めた。

 昨年には、圧縮木材の量産化につながる可能性のある技術を発明して特許を取得。木材に熱を加えて軟らかくするのと同時に圧縮も行う従来の一般的な方式に対し、軟化と圧縮を別の工程に分けて行う技術で、工程を分離することで一度により多くの木材を処理できるようになるという。

 研究所は、幅22・5メートル、奥行き30メートル、高さ8・5メートル。幅8メートルの研究室二つと、その間に挟まれた実験スペースの三つに分かれている。

 実験スペースは壁に開放部がある半屋外式で、不燃化する薬剤を木材に染みこませる炉や、ボイラー、木材をつるクレーンなどを置く予定。従来の小規模な実験スペースでは、最大でも長さ1メートルほどの木材しか扱えなかったが、3~4メートルの木材での実験ができるようになるという。

 総工費は約1億2700万円。今後普及が期待される新しい建材を用いており、その断熱性能を検証するための環境省の補助金約4500万円が交付され、残りを同社が負担した。

 研究施設のオープニングセレモニーがあった17日は阪神大震災の発生から25年目に当たり、小池社長は「阪神大震災では、家屋の倒壊や火災が多く発生した。研究が地震に負けない家づくりにつながってほしい」と語った。

 福田教授らは昨年、不燃建材に染みこんだ薬剤が湿度の高い外気で溶け出す「白化現象」を起こさない技術も開発。現在特許を申請している。福田教授は「立派な施設ができたことで責任を感じている。数年内に実用化できるよう研究を重ねていきたい」と語った。 (岩佐遼介)

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