打倒トランプに悲壮感「再選果たすかも」 米で反政権デモ「女性大行進」

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領への抗議デモ「女性大行進」が18日、首都ワシントンなどで開かれた。20日で就任から丸3年を迎えるのに合わせて集まった参加者は「トランプ追放」などと絶叫。だが11月の大統領選に向け、中国と貿易協議で部分合意するなど成果を誇示するトランプ氏が「再選を果たすかもしれない」との声も目立ち、会場には怒りとともに危機感が色濃く漂った。

 女性大行進は2017年のトランプ氏の大統領就任後、毎年1月20日前後に開催。ホワイトハウス周辺には、人工妊娠中絶に厳しい態度を示すなどしているトランプ氏の政治姿勢に憤り「女性の権利を尊重していない」などと非難する市民らが世代や人種を問わず駆け付けた。行進前の集会では、トランプ氏の支持者がデモ参加者に「中絶は殺人だ」と罵声を浴びせ、怒号が飛び交う一幕もあった。

 「大統領選でトランプを退陣させる」といった思い思いのメッセージを記したプラカードを手にした参加者たち。幼児2人を連れて行進した南部バージニア州の無党派層ボンバルディエさん夫妻は「トランプ政権の内政、外交のいずれにも共感できない。彼を選挙で落選させる日が待ち遠しい」と言い切った。

 ただトランプ氏は、減税や中国、日本との貿易協議の前進に代表される経済政策のほか、過激派組織「イスラム国」(IS)指導者やイラン司令官殺害といったテロ対策など過去3年間の実績をアピールし、保守層の支持をつなぎ留めている。加えて、民主党の大統領候補者選びでトランプ氏の有力な対抗馬を見いだせない現状に、女性たちから懸念の声が相次いだ。

 中西部インディアナ州から駆け付けたニコライさん(64)は、大統領選で民主党候補がトランプ氏に勝利できるかについて「そう願うが、自信はない」。各地の女性大行進への参加者が減少傾向にあることも踏まえ「独善的な政治を許せないと思う人は投票に行くべきだが『トランプ氏は強い』と諦めて、投票に行かない人が増えるかもしれない」と憂えた。

 それでも参加者は前を向いた。「弾劾裁判でトランプ氏は有罪になりそうにないし、私も憂鬱(ゆううつ)だが、皆で選挙を盛り上げないといけない」と言い聞かせたのはワシントン近郊在住の研究者ルースさん(23)。秋の選挙で初めて投票する黒人大学生のワークリヤさん(19)=ワシントン在住=は「希望を捨てないことが大切だ」と悲壮感をにじませつつ、友人たちとホワイトハウスに向け歩を進めた。

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