人と自然テーマに60年 日写協会員の男性が写真集出版

西日本新聞 大分・日田玖珠版 杉野 斗志彦

 日本写真協会会員の森秀輔さん(85)=大分県日田市隈=が写真集「天水花風人家図-九重山から筑後平野へ」を出版した。写真歴60年を超える森さんが長年テーマとして追い続ける「自然と人の営み」を季節の移り変わりとともに捉えた200点を掲載。「写真を通して日本の内面的価値、精神文化を次世代につないでいきたい」と語る。

 森さんは福岡県の中学教員だった20代から写真の魅力に引き込まれた。休日のたびに国内外へ撮影旅行に出掛けるため、「息子が父の職業はカメラマンだと思い込んでいた」(森さん)という。

 30代からは、県美術展写真展の文部大臣賞や、1976~88年の二科会写真部展連続入選をはじめ、数々のコンテストで入賞、入選を重ねた。現在は二科会写真部会員や県美術協会写真部招待会員、日田市の愛好者団体「日田写団光風」の会長なども務める。

 過疎化、高齢化が進む地方の現状を憂い、長く地域の風景や里の人々の暮らしを題材にしてきた。写真集には、新緑の山々や雪景色の里、滝で遊ぶ子ども、作物を収穫する農家、手押し車を押す女性、霧に包まれた廃屋など、日田玖珠や筑後地方の四季折々の風景が収められている。

 朽ち果て倒れそうな廃屋や、たなびく霧などで「時の流れ」を表すのが森さんの特徴。「単なる風景写真としてだけではなく、移ろいゆく時と過疎化が進む里の悲哀も感じ取ってもらえれば」と話している。

 300部印刷。希望者には8500円(税別)で販売する。 (杉野斗志彦)

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