子ども食堂支援、無理なく 規格外野菜提供しロス削減 JA福岡市

西日本新聞 ふくおか都市圏版 藤村 玲子

 JA福岡市が昨年12月から、地域の居場所として広がる「子ども食堂」に規格外の野菜や果物を無償で提供し始めた。子ども食堂を支援する市社会福祉協議会との連携事業で、市内の同JAの4直売所が協力する。運営側は食材費のコスト軽減につながり、直売所も食品ロス削減を進められるなど双方の利点が一致した形。「特別なことや無理をしない」取り組みだけに、今後注目されそうだ。

 多くの子ども食堂は土日に開かれる。そのため、直売所は毎週金曜に規格外の野菜などを集めている。形がふぞろいでも表面に多少の傷があっても、品質に問題はない。集められた食材は、各直売所に近い福祉施設のスタッフが取りに行って保管し、午後には事前登録した子ども食堂が必要な分を持ち帰る仕組みだ。

 協力するのは博多じょうもんさん福重市場(西区福重)、同花畑市場(南区柏原)、同曰佐市場(同区的場)、同入部市場(早良区東入部)の4直売所。現在、16団体が運営する子ども食堂が登録しているという。

 「福重市場」は約半年前から試験的に取り組んでいる。昨年12月のある金曜、協力施設の社会福祉法人恵徳会の特養ホーム「なの国」(同区拾六町団地)に四つの子ども食堂スタッフが集まっていた。なの国の事務主任、横尾和暁さんが「譲り合ってお取りください」と声を掛けると、テーブルの白菜やジャガイモ、柿などが次々になくなる。西区上山門で月2回子ども食堂を開くNPO法人いるかの男性スタッフは「材料費が抑えられ、助かります」と話した。

   ◇    ◇

 JAと生産者との会議では数年前から、規格外の野菜や果物の活用法がたびたび話題になっていたという。市社協に食材の提供を提案したところ、約2年の協議を重ね、供給の仕組みが出来上がった。

 JA全中によると、全607支部のうち、子ども食堂への食材支援は昨年12月時点では37支部にとどまる。ただ、検討する支部は多く「今後広がっていくのではないか」とみている。

 市社協の馬男木幸子地域福祉課長は「集まった際にレシピを教え合うなど、子ども食堂関係者のつながりも生まれている。子どもからお礼の手紙が届いた生産者にとっては、大きな励みにもなっている」と、事業の手応えを感じている。

 今回は、同JAと市社協の双方が通常業務で関わり合う施設や事業者と連携して始まった。子ども食堂の運営や支援で求められるは継続性であり、無理のない仕組みだ。福岡市の例は、支援を考えている他団体の手本になりそうだ。

 子ども食堂の利用登録などの問い合わせは、市社会福祉協議会地域福祉課=092(791)6339。 (藤村玲子)

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