新型肺炎が中国各地に拡大 春節直前 北京、上海でも確認

西日本新聞 総合面 川原田 健雄

 【北京・川原田健雄】新型コロナウイルスによる肺炎が中国国内で拡大している。20日には発生地の湖北省武漢市だけでなく、北京市と広東省深〓市、上海市でも初めて発症者が確認され、現地メディアなどによると全体の発症者は218人に上った。習近平国家主席は「全力で予防、制圧する」よう関係部門に指示したが、春節(旧正月)前の帰省ラッシュは既に始まっており、さらなる拡大が懸念される。

 現地当局によると、武漢市では18日に新たに1人が死亡し、死者は計3人となった。同市の発症者は18、19日に136人増え、計198人に上った。国営中央テレビによると、このほか北京で5人、深〓など広東省で14人が発症。武漢と合わせて発症者は計217人に上った。また、中国当局は20日、上海で発症者1人を確認したと発表した。

 このほか浙江省は感染した疑いのある患者が5人見つかったと発表。中央テレビによると上海市と四川、雲南、山東各省、広西チワン族自治区でも感染疑いのある患者が確認された。

 武漢市当局は当初「3日以降は新たな発症者が出ていない」と説明していた。短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では「2日間で突然100人以上増えた。まだ隠していないか」「信じられない」といった書き込みが相次いだ。中国は2002~03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際、情報公開が遅れて感染拡大を招いただけに、当局の対応には疑念がくすぶる。

 微博では「父親が肺炎を発症した」などの情報が流れたが、投稿は削除され、投稿者のアカウントも閉鎖された。混乱が広がらないよう当局がインターネット上の情報統制を強めているとみられる。

 国家衛生健康委員会は19日になって「(各地方政府に)検査を強化して患者の治療に全力を挙げ、病例や予防に関する情報を迅速に公開するよう求めた」と発表。対策チームを各地に派遣して予防措置を指導していると強調した。

 ただ、中国は春節の大型連休(24~30日)を含む帰省期間に延べ約30億人の移動が見込まれる。ネット上には「春節中に(発症者が)何倍に膨れるか」「1カ月後を想像したくない」など懸念の声が見られた。

※〓は「土へん」に「川」

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