首相「復興五輪」前面 施政方針演説 桜、IR汚職触れず

西日本新聞 一面 河合 仁志

 第201通常国会が20日召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で施政方針演説を行った。7~9月に開催される東京五輪・パラリンピックを成功させ、東日本大震災からの「復興五輪」とする決意を強調。執念を見せる憲法改正について「未来に向かってどのような国を目指すのか、その案を示すのが国会議員の責任」と述べ、憲法審査会での議論を促した。

 首相は冒頭、東京五輪・パラリンピックを「世界中に感動を与える最高の大会とする」と宣言。東日本大震災時に支援を受けた163の国・地域に感謝を表すとともに、復興しつつある被災地の姿を見てもらいたいと訴えた。全国約500の市町村が、出場国・地域と交流を深める「ホストタウン」を担い、「地域の魅力を世界に発信する絶好の機会だ」と語った。

 内政では、子どもから高齢者までが安心できる「全世代型社会保障制度」の実現を目指し、働き方や年金、医療、介護全般の改革を進めると力を込めた。

 この1年を「戦後外交を総決算し、新しい時代の日本外交を確立する正念場」と定義。北朝鮮による拉致問題の解決に向け、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と向き合う決意を重ねて表明した。緊張関係が続く韓国に対しては「元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」とした上で、国と国との約束を守るよう求めた。日米安全保障条約改定の署名から60年を迎えたことを踏まえ、「日米同盟の深い信頼関係の下に、沖縄の基地負担軽減に結果を出していく」とした。

 憲法改正では「新しい時代を迎えた今こそ、歴史的な使命を果たすため、憲法審でともに責任を果たしていこう」と呼び掛けた。

 一方で、首相主催の「桜を見る会」を巡るずさんな公文書管理の問題や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件には言及しなかった。

 会期は6月17日までの150日間。各党の代表質問は22~24日、衆参両院で行われる。 (河合仁志)

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